皆さんこんにちは!!弁護士の三井です。
このコーナーは、産業カウンセラーの皆様が押さえておくべき法律問題を、分かり易く解説する(ことを目標にしている)コーナーです。皆様の業務に少しでもお役に立てれば幸いです。
さて今回は、「気をつけておきたい労働トラブル」についてお話します。
今回は2018年1月号です。私は今この原稿を前年の11月に書いています。どうにか年末の仕事と忘年会ラッシュをこなし、晴れやかな気持ちで私も新年を迎えられているとよいのですが…。
今回のテーマは、近時の労働トラブルの傾向と注意点です。是非参考にしていただき、2018年はトラブルゼロの職場にしてください(なお、今回のお話は私が日々の業務で感じる感想が多くなります。ご容赦いただけると幸いです)。
1. メンタルヘルスが関わる労働トラブル増加傾向
昨今は、解雇や残業代などの昔からよくある典型的なトラブルにもメンタルヘルスが関わる事例が増えています。
背景のメンタルヘルスの問題に気づいて適切な対応をとらないと、問題をこじらせてしまったり、法律上誤った対応をしがちなので注意が必要です。
様々な制度や法律が複雑に絡む分野ですので、通常のトラブルよりも慎重によく調べて対応しましょう。
場合によっては、弁護士や産業医、皆様のようなカウンセラーの先生方などの専門家の力を借りることも必要です。
2. 過重労働
痛ましい過労死や過労自死事件が連日報道されています。
その影響もあってか、最近は残業を減らしたいという中小企業からのご相談も多いです。
残業を減らしたい気持ちが強すぎたのか、いきなり残業を一律禁止してしまう会社がありますが、それは原則NGです。かえって持ち帰り残業や社員の不満を増やしてしまいかねません。
まずは業務量や労働時間の把握から始め、業務の効率化や、適正な分配をひとつずつ検討していく姿勢が重要です。
3. ハラスメント
「セクハラ」トラブルのご相談も最近はだいぶ減った印象ですが、最近は自分の行為が許されていると誤解してセクハラをする加害者のケースが増えている気がします。注意が必要です。
「パワハラ」も大分認知されましたが、少し行き過ぎている面もあるのか、部下からの逆パワハラともいうべき現象に悩んでいる上司の方を目にします。上司の方の心のケアも重要です。
「マタハラ」は、セクハラ・パワハラと比べ、そもそも前提として何が許されない行為なのかを理解していない人が多い傾向です。まずはその点を周知しましょう。
4. まとめ
職場に大きなトラブルがあることはたくさんの人を不幸せにします。今回お話した点にみなさんで気を付けていただき、お互いへの配慮を忘れず気持ちよく過ごせる1年間にしましょう!
(監修者:弁護士 三井伸容)