Q. これから新規の取引を開始する予定なのですが、何か注意しておくことはありますでしょうか。また、万が一、取引先の支払いが止まってしまった場合、債権を回収するにはどうすればよいでしょうか。

A. まずは、取引先との間で大きなトラブルが発生しないようにするべきです。たとえば、取引先の資産調査、契約書のリスク確認、保証人、担保の設定等を検討することが考えられます。

また、万が一、取引先の支払いが停止した時は、債権回収の見込みを判断し、どのような法的手続きを選択すべきか検討したうえで、急いで債権回収を図る必要があります。

1. 未然に大きなトラブルを防ぐには

トラブルを未然に防ぐために常日頃から意識しておいたほうがよいことがあります。

まずは、資産を把握しておくことが重要です。

新規の相手と取引を開始する場合、相手の資産状況を大まかでよいので把握しておきましょう。決算書や確定申告書などから、資産状況を把握したり、所有不動産や、預金口座番号、主要な取引先などを押さえておいたりするのがよいかと思います。取引開始時は資産状況が悪くない相手が多いかと思いますが、契約の更新時などに、再度相手の資産状況を把握し直すのがよいと思います。

また、最初に契約書をしっかりと作成することが大事です。このとき、弁護士等の専門家に一度相談すれば、経験上想定できるリスクに対処できるような契約書を作成することができます。

あとは、取引先の信頼関係の問題から難しいことが多いかとは思いますが、もし可能であれば、保証人を付けたり、担保をとっておくのが望ましいといえます。

2. 取引先の支払いが止まったときには

取引先が支払停止となった場合、困ってしまったと悩んでいるだけではいけません。債権回収は急ぎましょう。債権回収は、相手方に財産の有るうちに行わなければなりません。他の債権者よりも早く動けばその分だけ回収可能性が高まるのです。

また、債権には時効があります。そのため、時効によって債権が消滅する前に手段を講じなければなりません。10年経過すると消滅する債権が多いですが、なかには短期間で時効消滅する債権もあります。たとえば、売掛金債権は2年間、請負代金債権は3年間、家賃債権は5年間で、債権が消滅するのが原則です。

3. 債権回収するには

まずは、債権の支払いを求める旨の通知書を相手方宛に送ります。支払の催促と、債権が時効によって消滅するのを防ぐ意味合いがあります。なお、証拠として残しておくために、通知書は内容証明郵便で出すのが賢明です。

相手の財産を把握している場合は、裁判所に対して仮差押えの申立てという手段を検討します。

任意の支払いがなされない場合、最終的には、支払督促や訴訟などの裁判上の手続きを経たうえで、強制執行をすることにより債権回収を図ることになります。

4. さいごに

縁あって始まった取引ですから、取引先との良好な関係は大事にしたいものです。

できる限り取引先とのトラブルを生まないためにも、何か問題が生じる前に予防策について弁護士等の専門家に相談しておくのが良いと思います。万が一、トラブルが生じてしまった場合には、よりよい解決を図るために、早め早めの行動が必要となります。

(文責:よつば総合法律事務所 弁護士 今村公治

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