みなさんこんにちは。よつば総合法律事務所の前原彩です。
前号から始まったこのコーナー、おかげさまで第2号を迎えることができました。読んで下さる皆様に感謝です!

さて今回はセクハラについてご紹介します。セクハラは近年減少傾向と言われていますが、都議会での「セクハラやじ」問題にみられるように、まだまだ絶えません。

セクハラは、セクハラをした従業員個人の問題として片づけられるものではなく、会社がその責任を負う場合もありますので、日頃から注意をする必要があります。

従業員が勝手に(?!)したセクハラの責任

よつば社九州支店では慣例として、業務終了後に定期的に居酒屋などでの食事会が開催されていました。特段の事情が無い限り、みんな出席をしていました。

社員の花子さんが出席していたある日の食事会で、花子さんの上司である山田部長が花子さんに対し、体をくっつけたり、「俺と付き合え」と言ったり、性的関係を迫る発言をしたりしました。さて、この山田部長の言動について、よつば社は法的責任を負うのでしょうか? ※会社名・人物名は全て架空のものです。

会社には使用者責任がある!

会社の従業員が事業の執行について第三者に損害を加えた場合には、原則として会社も責任を負うという法律上の規定が存在します。

そのため、会社からすると従業員が勝手に行ったかのように見えるセクハラも、会社が責任を負う場合があるのです!

ポイントは「事業の執行につき」

では会社はどのような場合に責任を負うのでしょうか。

ポイントは、従業員が「事業の執行について」セクハラをしたかどうかです。事業の執行についてセクハラをした場合には原則として会社も責任を負います。

事業の執行とは、会社の業務に関連してといった感じで、具体的には、加害者と被害者との関係、加害行為の内容・時間、加害行為の一体性・連続性などをもとに判断されます。

上記事例では、業務終了後の社員同士の飲み会という一見して業務とは関係なさそうな時にセクハラが行われています。しかし上記事例の元となった事件において裁判所は、食事会には特段の事情が無い限りみんな出席していたこと、食事会において仕事の話がされていたこと、花子さんと山田部長が上司と部下の関係にあったことなどをもって、会社の責任も認めました。

まとめ

このように、実は会社は重い責任を負っているのです!従業員が勝手にやったこと、などとは考えずに、日頃から、従業員教育を徹底して行うなどして、会社の責任を極力減らしていく努力をする必要があります。

そのため、会社側の方からセクハラについての相談があった場合には、このような責任の重さを伝えつつ、既に起きてしまったことは仕方ないとしても、事後の再発防止策に努めるようアドバイスするのが良いと思われます。

(文責:弁護士 前原彩