みなさんはじめまして。よつば総合法律事務所の前原彩です。

本号から、カウンセラーの皆さまが普段多く接する分野の法律問題についてご紹介する運びとなりました。

離婚したい! 40歳男性Aさんからの相談

私には妻と子どもが1人おります。しかし妻はもう何年も前から家事をろくにやらなくなりました。

顔を合せれば喧嘩です。そんな妻の態度もあり、最近、私に恋人ができました。妻とは違って優しくて思いやりのある女性です。

私は、妻と離婚して一から人生をやり直したいと思っているのです。

しかし妻は自分の非を棚に上げ、絶対に離婚しない!と言い張っています。どうしたら良いのでしょうか。

離婚をするためには離婚原因が必要!

協議離婚の場合、双方に離婚と親権者についての合意があれば離婚成立です。

しかし、夫婦の一方が「絶対離婚はしたくないの!」と言っている場合、最終的に離婚裁判をせざるを得ません(以前、俳優のTとタレントのMが離婚裁判を繰り広げており、だいぶ話題になりましたね・・・)。

しかし離婚裁判においては夫婦間に「離婚原因」があるのか?ということを厳しく判断されます。

離婚原因の際たるものは、DVや不貞・浮気といったものです。

有責配偶者からの離婚請求は認められにくい!

Aさんの場合どうでしょうか。妻も家事を放棄し2人は喧嘩ばかりで離婚原因があると言えそうでしょうか。 答えはNOです。

その理由が、「有責配偶者」という概念にあります。

離婚原因の責任を作った配偶者からもう一方の配偶者に対する離婚の請求は認めないよというものです。

つまり、Aさんには恋人がいて、離婚の原因を作っているのはまさにAさんということが言えます。

他方妻が家事をしていないことは、それだけで有責と裁判所が判断してくれる可能性は低いです。

まとめ

以上を踏まえると、Aさんが妻と離婚するためには、なんとか時間をかけて説得したり、それ相応の財産を分けたり、超長期間にわたる別居を続けるしかなさそうです・・・ 。

有責配偶者とは、それくらい離婚を困難にさせる事情となりますので、そのような相談者がいた場合には、まず、有責と判断される要素を取り除くところからアドバイスをした方が良さそうです。

(監修者:弁護士 前原彩

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