昨今の不況の中、経営者の皆様のご相談で多いのが、家族のためにも自宅は守りたい、というご相談です。

また、会社員の方でも、会社の業績悪化により給与が減り、住宅ローンの返済が困難となる方がいらっしゃいます。 そのような場合、自宅を守る方法を考えることが重要です。自宅は家族にとっても最後の砦です。


1. 金融機関に相談する。

まずは、住宅ローンを貸している銀行にご相談することをお勧めします。

最近では「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」(通称金融円滑化法)の施行に伴い、金融機関は、住宅ローンの支払条件の変更に応じることが多くなってきています。

裁判所を利用する法的手続の前に、まずは金融機関に正直に実情を説明の上、住宅ローンの支払条件の変更をお願いすることがよいです。

私の経験上も金融機関に相談することにより自宅を守れるというケースはとても多いと感じています。

2. 弁護士に依頼をして民事再生申立(小規模個人再生)をする。

民事再生(小規模個人再生)とは、裁判所に申し立てをし、住宅ローンは原則としてそのままの条件で支払い、他の負債については原則として5分の1の支払いをし、他の5分の4の負債の支払を免除してもらう方法です。

5分の1の支払いについても3年間でも分割払いの条件となることが多いです。

非常に効果のある方法ですが、全ての方が利用可能というわけではなく、また、支払い額も必ず負債の5分の1でよいというわけではありませんので、弁護士等の法律の専門家へのご相談をお勧めします。

例えば、住宅ローン以外の負債が5,000万円を超えている場合には利用できません。

3. 第三者に売却の上、その第三者と建物賃貸借契約を締結する。

どうしても自宅を手放さなくてはいけなくなってしまった場合、第三者に適正な時価で自宅を売却したうえで、その第三者と建物賃貸借契約を締結する方法があります。

この方法の場合、自宅の所有権は手放すこととなってしまいますが、自宅に住み続けることが可能となります。

適正な時価での売却が前提となりますので、自宅を購入してくれる第三者(親族や親しい第三者)の存在がポイントとなります(不動産の名義だけを変更するということではありませんのでご注意ください)。

(監修者:弁護士 大澤一郎

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