皆さんこんにちは!!弁護士の三井です。

このコーナーは、産業カウンセラーの皆様が押さえておくべき法律問題を、分かり易く解説する(ことを目標にしている)コーナーです。皆様の業務に少しでもお役に立てれば幸いです。

「これまで役所の相談窓口をたらいまわしにされた!」これは相談の際に弁護士が時折耳にするセリフです。

特に労働トラブルの相談窓口は種類が多くて中身も複雑なため、相談者が適切な相談窓口になかなかたどり着けないということが起こるようです。

皆様も公的な相談窓口をクライアントにご案内することが少なくないと思います。比較的よく使われていると思われるものを中心に今回整理してみたいと思います。

1. 労働基準監督署

まず、すぐに思いつくのがこちらでしょうか?

ここでは、主に残業代、有給休暇、労働時間、労災など労働基準法や労働安全衛生法等の法令違反に関する相談ができます。

そして、違反が認められる場合には、行政として是正勧告等の対応も可能なので、問題を抜本的に解決できることもあります。

ただ、上記のとおり取扱分野に限定がありますので、その範囲外の問題の場合は期待する対応がなされない可能性があります。

2. 都道府県労働局内

上記「労基署」も労働局の下部機関ですが、労働局内にも他に様々な部署があります。

相談窓口として主要なものを簡単にご紹介させていただきます。

おそらく一番有名な相談窓口が「総合労働相談コーナー」です。幅広い分野の労働問題を取り扱い、設置場所も多いため、とても利用しやすいです。

労働基準監督署に対して取扱範囲外の相談をした際に、こちらを案内されることが多いと思います。

また、当事者が相談にとどまらず、紛争の解決を求める場合には、都道府県労働局長による助言・指導やあっせんなどの紛争解決手段もあります(※詳しくは労働局のHP等でご確認ください。)。

相談場所で悩むようであれば、まずここに相談しても良いと思います。
ただ、具体的な法令違反に関する相談や申告の場合には、その各分野の監督官庁の部署に行ったほうがクライアントの希望に沿う場合もあります。

他には労働者派遣事業や職業紹介事業に関する問題を扱う「需給調整事業部(室)」や、職場における男女差別問題、セクハラ・マタハラの問題、母性健康管理の問題、契約社員・パート労働の問題などを扱う「雇用環境・均等部(室)」という部署があり、それぞれ相談をすることができます。

3. 最後に

他にも公的な相談窓口として、ハローワークや各自治体の相談窓口、民間では労働組合や弁護士などもあります。

勇気を出して相談したクライアントが適切な対応をしてもらえるよう、相談窓口のご案内の際にはご注意をいただけると幸いです。

(監修者:弁護士 三井伸容

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