もちろん、私は弁護士ですので、「弁護士は使えない」と思って欲しくはないです。ただ、私は経営者でもありますので、「弁護士は使えない」という経営者の気持ちはよくわかる部分もあります。
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「結局どうすればいいのか」がわからない
このパターンは結構多いです。色々法律のことは熱心に説明してくれるのですが、「で、結局どうすればよいの???」というパターンです。このタイプの弁護士は多いです。
特に、経験年数が少ない弁護士や、「勉強ができる」弁護士に多いパターンです。事案の解説ではなく「会社・社長として取るべき行動」まで弁護士はアドバイスを当然すべきです。
例えば、売掛金を請求したいが相手にお金がなさそうな場合です。
「裁判を起こして強制執行をすれば回収できます。ただ、財産がない相手だと強制執行しても回収できません」という回答だとすると、結局会社として何をすればよいかわかりません。
それに対して、会社で交渉できる様々な方法を弁護士がアドバイスしてくれれば、弁護士に依頼しなくても長期分割やある程度の回収ができるかもしれません。裁判だけが解決手段ではありません。
いずれにしても、弁護士は会社がとるべき行動、担当者がとるべき行動までアドバイスをすべきです。
社長の気持ちがよくわからない
このパターンも結構多いです。社長は日々「お金のこと」や「ヒトのこと」で悩んでいます。また、24時間365日年中無休で頑張っています。そのような社長の気持ちをわからずに「これは社長が悪いですよ」「これは会社が悪いですよ」とアドバイスをされても困ってしまうかと思います。
例えば、業績がおもわしくなく従業員を減らさなくてはいけない場合があったとします。このような場合の解雇を「整理解雇」というのですが、実際に整理解雇が認められるハードルは非常に高いです。
そのため、弁護士から「整理解雇の要件を満たしていないので解雇できません。解雇は違法です。」とアドバイスされたとします。
しかし、従業員を減らさないといけないのですから、「解雇は違法です」というアドバイスだけでは何も意味がありません。
代わりに希望退職を募って従業員の数を減らしていく方法、配置転換をする方法、関連会社がある場合には出向・転籍をする方法など社長や経営者の考え方に基づいた何らかの方向性を示す必要が弁護士にはあるのです。
参考動画
そもそも態度が悪い
高齢の弁護士などに多いパターンです。態度が悪いと全てが悪く見えてきます。(なお、年齢にかかわらず若い弁護士でも態度が悪い弁護士はいます。)
私の経験上、態度が悪い弁護士は能力もいまいちのことが多いです。
スピードが遅い
残念ながら、弁護士業界は一般にスピードが遅い業界です。裁判などは1~2か月に1回のペースで開かれますので、社会の通常のスピードとスピード感が違っていることがあります。(ただし、最近、弁護士業界もスピードが上がっているような気がします。)
私の経験上、スピードが遅い弁護士は能力もいまいちのことが多いです。
問題が解決しない
「弁護士に依頼したにもかかわらず何も進まない」、「問題が解決をするにしても長期化してしまう」ということがあります。
また、結果として「問題が解決しない」という流れになってしまうことがあります。そして「弁護士は使えない」という結論に至ってしまいます。
問題が解決しないのであれば、弁護士に相談・依頼する意味はないという気持ちはわかります。
私も何か問題が発生したときに、解決しないのであればあまり相談・依頼はしたくないです。(解決しないということが相談・依頼して理解できたという意味でのメリットはあるのかもしれませんが・・・)
まとめ
以上のようなことが原因で、「弁護士は使えない」と感じてしまう方は多いと思います。
これは、弁護士側の問題によることが多いですので当事務所も含めて業界全体がもっとよい方向に変わっていかないといけないと強く感じています。
(文責:大澤一郎)