よつば総合法律事務所の弁護士の辻です。
本日は、相続でよく争いになるケースとその対策について説明したいと思います。
相続はいつか必ず発生します。相続のときに、相続財産の分け方・金額等で揉めることがあります。以下のようなケースで相続人間のトラブルになることが多い印象です。
- 不動産の評価額で争いが生じるケース。
たとえば、お亡くなりになられた方(以下「被相続人」といいます)が居住していた土地と建物の評価額を巡って争いになるような場合です。 - 生前被相続人の通帳を管理していた相続人が、被相続人の代わりに預貯金を引き出して、被相続人に生活費等を渡していたケース。
たとえば、被相続人が施設に入って、自分でお金を引き出すのが難しい場合に、施設の近くに住む家族が被相続人の代わりにお金を引き出して、渡していたような場合です。 - 生前に被相続人が、特定の相続人に贈与するなどお金の支援をしているケース。
この場合、他の相続人から生前にたくさんお金をもらっているのに、死後同じ金額で分けるのは納得できないという主張をされることがあります。 - 生前に被相続人の介護をしていた相続人がいるケース。
この場合、介護など被相続人の世話をみていた相続人は、寄与分があるのだから、他の相続人と金額が同じというのは納得できないと主張される場合があります。 - お子様がいない相続のケースで、兄弟姉妹もしくは甥姪が相続人になるケース。
この場合、関係が希薄になっていることが多く、遺産分割協議の話合いがうまくいかないことも多いです。
対策について
被相続人の意向を最大限反映させた相続を実現するには、遺言書の作成が大切です。
遺言書には、自分で作成する自筆証書遺言と公証役場で公証人に作成してもらう公正証書遺言があります。
公正証書遺言の方が、信用性が高いのでおすすめです。
また、遺言書の文案については、弁護士に作成してもらうことをおすすめします。
理由としては、遺言書を作成しても、不十分な点があると後で遺言書を巡ってトラブルになる可能性があるからです。
なお、遺言を作成しても、相続人に最低限認められる遺留分という権利があるので、完全に相続トラブルを防止するは難しいです。そのリスクをなるべく低くするという観点で対策をしましょう。
(監修者:弁護士 辻悠祐)