会社を経営している社長の直観は当たることが多いです。
経営者は誰よりも会社のことを理解していることが通常だからです。そのため、経営者が「リスクがある」と考えていることは早めに解決をしてしまうことが大切です。
目次
会社のリスクの具体例
例えば以下のようなことが気になっていませんでしょうか。
- 残業代の問題
- 従業員の退職・解雇の問題
- 労働組合の問題
- 売掛金回収の問題(長期未回収の債権の問題)
- 許認可の問題
- 従業員の横領・背任の問題
- 従業員の顧客引き抜き対策
- 従業員の不祥事
- 株主間紛争
- 取締役間でのトラブル
- 契約書
- 事業承継・相続
- クレーマー対策
- インターネット上での誹謗中傷
これらの問題はすぐに解決ができる問題もありますし、解決が難しい問題もあります。
解決が難しい問題の中には、放置しておいても法的なリスクは低いという問題もあります。
他方、裁判等の強硬な手段をとらないと解決ができず時間・手間・コストがかかるという問題もあります。
リスクを正確に分析し行動する
病院で定期的に健康診断をするのと同様で、会社に発生するリスクも現状を正確に分析することがまずは大切です。
社長がとても気にしていた問題が実は全く大きな問題ではなく杞憂に過ぎなかったというご相談も非常に多いです。まずは法的に正確な分析をしましょう。
その上で、解決できる問題は解決に向かって尽力をし、解決が難しい問題は他の方法を考えることにより事実上の解決を目指していくことが大切です。
特に、法律的な解決が一般的には難しいと思われるような事案は弁護士の力量が問われます。
「本当に法律的な解決が難しいのか」「法律上は直接的な解決方法がない場合代わりの解決方法はないか」などを粘り強く検討していく姿勢が必要です。
ニーバーの祈り
会社経営のリスクについては「ニーバーの祈り」の精神で取り組んでいくことが必要だと私は感じています。
【ニーバーの祈り】
神よ
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
精神状況が安定していないと適切な判断を行うことができません。
適切な判断をするための3つのステップは次の順番をお勧めします。
- ①最悪の事態を想定する。
- ②最悪の事態を自分の気持ちの中で受け入れる。
- ③最悪の事態にならないための方法を考え実行する。
不安の原因は、「今後どうなるかわからない」という気持ちです。まず、自分の中でどのようになるかを色々考え、①最悪の事態を想定しましょう。
そして、気持ちを落ち着けるためには②最悪の事態を自分の中で受け入れることが大切です。例えば、次のような最悪の事態を自分の心の中で受け入れましょう。
- 大口の取引先が倒産して売掛金が回収できない
- 従業員とトラブルが発生して期待していた従業員が会社を辞めてしまう。
- 会社が倒産してしまう。
最悪の事態を自分の気持ちの中で受け入れれば、あとは実行あるのみです。
解決の方法は意外とたくさんあります。③最悪の事態にならないための方法を考え実行しましょう。
会社のリスクとして経営者の皆様が気になっている事項がある場合、その直感は大切です。
早めにリスクを正確に分析し、解決に向けて進んでいきましょう。
(文責:大澤一郎)