皆様こんにちは!よつば総合法律事務所の三井です。

今年は例年以上にインフルエンザが猛威を振るっています!皆様の周りでも、残念ながらインフルエンザにかかってしまった方がいらっしゃるのではないでしょうか。

さて、皆様の会社で従業員にインフルエンザの診断が出た場合には、その従業員に対して、どのような対応をされているでしょう。せっかくの機会ですので、今回は、インフルエンザを含めた感染症に従業員がかかった場合の会社対応について一緒に考えてみましょう!

1. 休業の理由によっては休みなのに会社が給料を支払わなければいけない!?

  1. 会社側の故意過失が原因での休み(EX:特に理由もないのに会社が出勤拒否等)
    • 100%の給料支払義務あり
  2. ①の故意過失とまではいえないが会社側の領域で生じた問題による休み
    (例:親会社の経営難で子会社に資材が届かず工場閉鎖、会社設備の欠陥による休業等)
    • 60%の給与(「休業手当」と呼ぶことが多いです)支払義務あり
  3. 1.でも 2.でもない不可抗力(天災など)による休み
    • 給与支払義務なし

2. 感染症とそれに関する法律

ある朝、会社の電話が鳴ると、従業員からある感染症の診断を受けた旨の連絡がありました。会社としては、感染症が社内で蔓延すると怖いので、従業員に休むように伝えました。
ところが、その従業員から「今月は生活が厳しく、私は給与が欲しいので働きたい!私は熱に強い体なので感染症でも十分働ける!もし休めというならその分の給料を補償してくれるのか!?」と言われてしまいました。
果たして、このような場合、会社が業務命令として強制的に従業員を休ませると、その分の給与を支払わなければならないのでしょうか??
あまり良く知られてはいませんが、実は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」という法律があります。この法律では、様々な感染症が危険度でランク付けされており、疾病のレベル(有名どころだとエボラ出血熱や結核、一時期話題になった「鳥」インフルエンザなどがあります。)によっては、法律上、その患者への就労制限などが出来ることになっています。
この従業員がかかった感染症が危険なもので、上記の就労制限を受けているような場合には、その従業員を休ませることに正当性が認められるので、給与を一切支払わなくて良い可能性が高いです(※「安全衛生法」が上記正当性の根拠となる場合もあります)。

3. 季節性インフルエンザと感染症と休業手当

他方、一定のレベル以下の危険がある感染症、例えばよくある季節性のインフルエンザなどには、上記法律でも就労制限ができません。
そのため、季節性インフルエンザにかかった従業員に会社が休業を命じた場合は、会社が自らの経営判断で休業を命じたのと同じだと考えることも可能であり、このような考え方によれば、上記②の場合として少なくとも60%の休業手当を支払う必要が出てきてしまいます(※他方、感染により仕事ができないのはあくまでも従業員側の原因であり、合理的といえる期間分までは会社は全く給料を支払わなくて良いという考え方もあります)。
もっとも、この場合であっても、医師から外出禁止の指示が出ていれば「外出禁止なら仕事不可」そして「外出禁止なのは従業員がインフルエンザに罹ったせいなので会社のせいではない」との理由づけが可能ですので、少なくとも外出禁止期間中は、休業を命じてもその期間分の給与は支払わないと会社が主張することも可能でしょう(※「学校保健安全法施行規則」では「発症後5日経過&解熱後2日経過」まで出席停止とされており参考になります)。
ただ、上記の話は「医師の診断」があることが前提です。当の本人が病院嫌いで、全く病院に行ってくれないような場合には、あくまでも「感染の疑い」があるに過ぎない状況での休業命令となってしまいますので、休業を命じても会社側の経営判断によるものとされ、休業手当の支払義務が認められてしまうケースがあります。そのため、まずは従業員に医師の診察を受けてもらうことがとても重要です。

4. 最後に

裁判業務等も簡単に交代が頼めませんので、私も日々体調を崩さないよう気を付けています(朝起きてすぐのうがいと、毎朝明治の「R-1」を飲むことが私のお勧めです)。見た目は割と不健康そうなのですが、意外にも風邪をひかないのが私の自慢です。最後ちょっと話が逸れてしまいましたが、皆様もお体に気を付けてお過ごしください!
(文責:弁護士 三井伸容