皆さんこんにちは!! 弁護士の三井です。
このコーナーは、産業カウンセラーの皆様が押さえておくべき法律問題を、分かり易く解説する(ことを目標にしている)コーナーです。皆様の業務に少しでもお役に立てれば幸いです。
今回のテーマは、「法的トラブルとストレス」です。今回はあまり法律の話はせず、弁護士として仕事をする中で日々感じていることをお話したいと思います。
1. 法律問題とストレス
「法律問題」といっても、借金、離婚、職場のトラブルなど様々なものがあります。一般的には対人関係の問題が多いと思います。
今回、私見にはなりますが、法律問題にどのようなストレスが関わってくるのか簡単な整理を試みたいと思います。
まず大きく分けると「トラブル自体からのストレス」と「解決のためのプロセスでのストレス」があるように思います。基本的には、前者を解決しようとすると、後者のストレスがかかる可能性が出てくることになります。
後者として考えられるのは「解決のための準備にかかるストレス」です。例えば、弁護士などの専門家に相談や依頼をする際、事実関係や資料の確認、打ち合わせなどの準備が必要ですが、そこで嫌な過去を思い出したり、問題に正面から向き合うことになりますので、精神的な負担は大きいと思います。
他のプロセス絡みのストレスとして「相手の対応から来るストレス」もあります。例えば、離婚や職場に関する対人的なトラブルの解決を弁護士に依頼する場合、交渉であれ、訴訟であれ、相手とのお互いの主張のぶつけ合いがなかなか避けられません。弁護士が代理している場合には当事者同士が直接やりとりすることは通常ないと思いますが、お互いのことを書類で非難しあったり、知りたくなかった事実が明らかになることで傷つくことも多いでしょう。
他にも裁判所などの第三者がなかなかこちらの言い分を理解してくれないといったストレスもあると思います。
最後に、これは私も気を付けなければいけませんが「依頼した専門家の対応から来るストレス」もあるでしょう。弁護士などの専門家に問題解決を依頼する場合には、解決までの見通しやプロセスをお互いが理解して共有できていることや、その専門家を信頼して依頼できることが極めて重要だと思います。
2. カウンセラーによる救済の必要性
このように法的なトラブルの解決の過程は、強いストレスといつも隣り合わせです。弁護士など問題解決を仕事にする専門家も、このことは重々承知しているはずですが、それに対応できる範囲には、様々な事情から一定の限界があることが多いでしょう。
そうすると、問題解決を専門家に依頼するのと並行して心のケアをカウンセラーの方にお願いできれば、よりトラブルを抱えた方が救われるのではないかと私は思います。よりそういった支援を受けやすくなるような環境整備がなされて欲しいものです。
(文責:弁護士 三井伸容)