株主代表訴訟とは、会社の代わりに役員等の責任追及を行なうことです。

取締役等役員は、会社と委任契約を締結している関係にあります。そのため役員は会社に対して、

  • 善管注意義務(民法第644条)
  • 忠実義務(会社法第330条)

といった義務を果たす責任があります。

役員がこれらの義務責任を果たさなかった場合は、委任者である会社がこの役員に対して義務違反を追及することになります。しかし実際には会社そのものが役員に対して責任追及することはできないため、取締役同士によって不適切な行為をしていないかを取締役会にて監督することになります(会社法第327条第1項1号)。しかし取締役同士が同僚で親密な関係にある場合は、違法行為を見逃す可能性もあります。そこで会社法第847条によって株主代表訴訟について定めて、株主が役員の責任について追及できるようにしたのです。

代表訴訟の提起権利がある株主とは?

代表訴訟を提起できる株主は、6か月前から現在に至るまでその会社の株式を所有している株主です(会社法第847条第1項)。非公開会社では株式の保有期間に関係なく、すべての株主が代表訴訟の提訴権者となります。(会社法第847条第2項)。

定款によって、以下のような例外規定を定めることもできます。

  • 株式保有期間を6ヶ月より短くする(公開会社の場合)
  • 単元未満株主には代表訴訟権を与えない

株主代表訴訟の手順

株主代表訴訟の流れは、原則として以下のような手順で行われます。

  • 株主が会社に対して、責任を怠った役員へ責任追及ことを請求する
  • 60日を経過しても会社が責任を怠った役員へ責任追及しない場合は、株主が代表訴訟を提起する

義務違反の役員がいる場合でも、株主はすぐに代表訴訟によって責任追及することはできず、まずは会社へ責任追及の請求をする必要があります(会社法第847条第1項)。60日経過してなお会社が当該役員に責任追及を行わない場合は、株主自ら代表訴訟を通じて責任追及を行なうことになります。

しかし60日という期間が経過することによって回復困難な損害が起こる可能性がある場合は、例外として会社への請求を省略することが認められています(会社法第847条第5項)。

株主代表訴訟から会社を守るために

取締役等の役員同士による監視体制を強化し、違法行為があれば取締役会にて決議すれば、株主から代表訴訟を起こされる可能性は低くなります。

また、会社や株主の利益を守ることが目的とはなっていない代表訴訟は、提訴することができません(会社法第847条第1項)。株主や第三者の利益を図ることや会社にダメージを与えることが目的となっている代表訴訟は、訴訟要件が満たされていないため却下されます。

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