「ネット集客に力を入れているが、お客様から低評価の口コミをされた」

「従業員が嘘の内部情報をネットに投稿して困っている」

「営業妨害となるようなことを匿名でSNSに投稿された。風評被害を受けている」

この記事では、不動産会社様にむけて、悪質な口コミへの対処方法を解説します。

誹謗中傷への対応は、詳しい弁護士と、そうでない弁護士がいます。悩んだら、まずは詳しい弁護士へのご相談をおすすめします。

1. 口コミの削除とは

消費者は口コミで業者を選んでいる?

近年、消費者が自分の利用したサービスや商品について、インターネット上で感想などを投稿することが簡単にできるようになりました。

これにより、消費者はネット上の感想(口コミ)を参考にして、どのサービスを利用するかを検討する傾向が強くなりました。

もちろん、口コミを簡単に投稿できることは、サービスを選ぶ参考になるという意味でとても良いことです。

国土交通省の統計によると、不動産の取得を検討している人が情報収集をするとき、約70%以上がインターネット等を活用しているというデータがあります。

ネットを利用する人に自社のサービスを選んでもらうためには、自社の良いことを書いている口コミを多く集めることが重要と言えるでしょう。

悪質な口コミは消費者が離れてしまう原因になる

口コミを投稿する人は、悪意を持って会社の悪いことを書こうとする人もいます。そのような人は、事実と異なる投稿をすることもあります。

事実と異なる悪質な内容の投稿をされると、その投稿を見た人がその会社のサービスを利用しなくなってしまう可能性があります。

ネットで集客をしている不動産業者の方から「ネット上に悪い口コミを書かれて困っている」「口コミを削除することができないか?」といった相談が多く寄せられています。

そこで、悪質な投稿から会社が悪影響を受けないために、どのように対応すべきかを説明していきます。

2. 不動産業界における利用率の高い媒体

不動産業者に関する口コミを投稿できるサイトはたくさんあります。その中でも、有名なのは次のサイトです。

  • ① Googleマップ
  • ② 不動産情報の各種総合サイト
  • ③ 転職サイト
  • ④ X(旧Twitter)などのSNS

① Googleマップ

Googleマップの口コミは、様々な媒体の中でもいちばん有名なものかもしれません。Googleで検索をすると、Googleビジネスプロフィールに登録されている会社の口コミが一緒に表示されます。

Googleマップ上で「不動産業者」などと検索すると、口コミや評価(星の数)
が一覧表示されます。評価の高い業者のみを検索したいときは、「星4以上」など一定数以上の評価で絞り込みをかけることができます。

消費者心理としては、評価が高かったり良い口コミが多かったりする会社を選ぶことになるでしょう。

Googleマップでは、利用者が無料で口コミを投稿したり、他の人の口コミを見たりできることが特徴です。簡単に口コミを投稿できるため、いい口コミだけではなく悪質な口コミの投稿も簡単です。

また、Googleマップの利用者はとても多いため、悪質な口コミがあると自社を利用しようとする顧客が減ってしまう可能性が高いです。

② 不動産情報の各種総合サイト

Googleマップの他に、不動産に関する様々な情報が掲載された総合サイトがあります。サイトによっては実際の利用者が不動産業者の口コミを投稿できます。

Googleマップとは違い、口コミを投稿するにはアカウントの登録の際に入力しないといけない情報が多いです。そのため、Googleマップに比べると口コミを投稿するハードルは高いです。

一方で、投稿された口コミを見るときはアカウントの登録が不要であることが多いです。そのため、顧客は口コミを自由にみることができてしまいます。

いい口コミをきっかけにサービスを利用してもらうためにも、総合サイトでいい口コミを投稿してもらえるようにしたいところです。

③ 転職サイト

不動産業者のサービスに関するものとは異なりますが、転職サイトでも口コミを投稿できます。

転職サイトでは、主にもともと働いていた従業員がどのような職場環境だったかなどの口コミを投稿できることが多いです。

求職者がどの企業に応募するかを検討するときは、転職サイトの口コミを参考にする確率が高いでしょう。

総合サイトと違い、転職サイトでは口コミをみるときにはアカウント登録が必要になることが多いです。

そのため、すべての人に口コミが見られてしまう可能性が高いとは言えませんが、転職をしようとしている人には口コミを見られてしまう可能性が十分にありますので、転職サイトの口コミもチェックが必要です。

④ X(旧Twitter)などのSNS

口コミサイトではありませんが、消費者の感想などを自由に投稿することができる場としてSNSがあります。その中でも特にX(旧Twitter)が有名です。

SNSは投稿するにも投稿を見るのにもアカウントの登録が必要です。もっとも、Xは多くの人がアカウントを持っている現状からすると、Googleマップと同じように投稿内容の影響力がある媒体です。

3. 不動産業界における悪質な口コミを放置するリスク

不動産業界における悪質な口コミを放置すると、①集客への悪影響②採用への悪影響③取引先への悪影響が発生します。

① 集客への悪影響

自社に関わる嘘の事実が書かれたクチコミを放置すると、集客に悪影響が出ます。

最近は多くの不動産業者がWEBサイトを持っていたり、広告を打ち出したりして集客していることが多いです。

不動産業者を探している顧客も、どの会社に問い合わせするかを決めるときにネット検索をすることが一般的です。

では、悪質な口コミがあるとどうなるでしょうか?具体的に考えてみましょう。

近くの不動産業者を検索したときに、次の口コミがあったら顧客はどう感じるでしょうか?

A社:「ここの不動産業者は嘘の広告を出して顧客を騙しています。詐欺をする業者なのでお願いしないほうがよい。」

B社:「営業の方がとてもいい人なのでまたお願いしたいです!」

多くの人がB者を選びたくなるのではないでしょうか。他の不動産業者と比べられたときに、自社に悪いクチコミがついていると顧客が選んでくれないことにつながってしまいます。

重要なのは、たとえ悪質なクチコミが真実でなかったとしても、顧客がそのクチコミを本当のことであると受け取ってしまう可能性が非常に高いということです。

嘘の事実を並べられたクチコミを放置すると集客に大きな影響を与えかねません。早急に対応する必要があります。 ネット集客を成功させるには、高評価と良い内容の口コミをたくさん集めることが重要です。  

② 採用への悪影響

集客と同じように、悪質なクチコミを放置すると、従業員採用にも悪影響がでます。

近年、就職情報サイトがいくつもネット上に存在し、従業員が自社の口コミを匿名で気軽に投稿できるようになりました。就職活動をしている人もこういったサイトを見て、応募を検討することが多いです。

そのようなとき、次のような口コミがある会社に応募してくれるでしょうか?

「ほぼすべての従業員が毎日24時までサービス残業をさせられています。」

「営業成績が悪いと毎回上司から土下座を強要されます。」

このような口コミがある会社に入りたいと思う人はいないのではないでしょうか。

集客のケースと同じですが、口コミが本当のことかどうかを求職者が判断することは難しいため、たとえ嘘の情報であっても悪影響を与えてしまう可能性があるのです。 悪質な口コミを放置してしまうと、いくら採用コストをかけても良い人材を採用することができなくなってしまいます。 人材の採用に苦労しているようであれば、就職情報サイトの口コミにも注意が必要です。

③ 取引先への悪影響

悪い口コミを書かれた会社は、取引先への悪影響もありえます。

悪質な口コミを投稿されると、「悪い会社の取引先」=「同じく悪い会社」と判断されてしまう可能性もあります。

それが原因で取引がうまくいかなくなる可能性も出てくるかもしれません。

4. 口コミ削除の可否と削除に向けたポイント

どのような口コミを削除できるのか

消費者に悪い印象を与える口コミだからという理由ですべての口コミを削除することはできません。 口コミを削除するためには一定の条件を満たす必要があります。

口コミが削除できるケースとそうでないケースの違いは次のとおりです。

削除できるケース

各サイトのポリシーに違反している場合

Googleマップであれば、虚偽コンテンツや中傷的なコンテンツなどが削除の対象となっています。

権利侵害がある場合

名誉権やプライバシー権に代表される人格権や著作権、商標権などを侵害する内容の口コミや投稿は削除請求が認められます。サイトのガイドラインでこのような投稿が禁止されていることが多いです。
 
具体的には、次のようなものが削除の対象となります。

①「〇〇の社長は〇〇など詐欺をしてお金を稼いでいる」といった投稿は名誉毀損となり削除できる可能性があります。

② 特定の人に対して「バカで頭足りていない」「ちび。背が伸びなかった障害者」など侮辱する内容も削除できる可能性あります。

削除できないケース

違法性阻却事由が認められるケース

投稿内容が名誉毀損に当たるとしても、①投稿内容が公共の利害に係る事実で、②投稿の目的がもっぱら公益のためであり、③投稿内容が真実である場合には、違法性がなくなり削除できません。

具体的には、政治家の不祥事に関する投稿などは、これらの要件を満たして削除できないと判断される可能性があります。

口コミ削除の具体的な方法

では、口コミを削除するにはどのような方法があるでしょうか? ①投稿者に削除を依頼する方法②サイト運営会社に削除を依頼する方法③裁判による削除請求をする方法があります。

① 投稿者に削除を依頼する方法

個人が運営するブログサイトやXなどのSNSであれば、投稿者に対して直接連絡を取ることができることが多いです。そのため、まずは投稿者に対して直接削除を依頼する方法があります。

メリット
  • 迅速に投稿を削除してもらうことができる可能性がある
  • 裁判費用等がかからない
デメリット
  • 削除を依頼したことで二次被害が発生する可能性がある
投稿者に削除を依頼すると、削除を依頼する内容のダイレクトメッセージなどをSNSでアップされて被害が拡大することもあります。

特に、自社に対して不満があって口コミを投稿しているようなときは削除に応じてくれず、SNSで「晒される」という二次被害が発生する可能性もあります。

そのため、この手段を使うべきかは慎重に検討する必要があります。

② サイト運営会社に削除を依頼する方法

多くのサイトには、投稿内容に関するガイドラインがあります。

ガイドラインに違反している投稿は、管理者に依頼して削除してもらうことができるケースがあります。

メリット
  • 迅速に投稿を削除してもらうことができる可能性がある
  • 裁判費用等がかからない
デメリット
  • サイトによりますが、口コミは削除されにくい
Googleを含む多くのサイトでは、削除を依頼するための問い合わせフォームがあることが多いです。そのため、フォームから削除依頼の手続きをする方法があります。

もっとも、過去の経験として、Googleの口コミは削除されにくいです。

また、削除依頼はチェックだけで違反報告をしてもほとんど認められないです。名誉毀損など法的観点から理由を説明の上で削除申請することが有効です。

③ 裁判による削除請求をする方法

削除請求の最終手段として、裁判手続きを使った削除請求があります。

メリット
  • 強制的に投稿を削除することができる
  • 削除と投稿者特定の裁判手続きを合わせて行えば投稿者の特定につながる可能性がある
  • 投稿者を特定することで悪質な投稿の再発防止につながる
デメリット
  • 時間と費用がかかる
  • 証拠の準備が大変
  • 投稿者の特定をする場合は、時間との戦いになることがある
サイト管理者や投稿者が任意の削除請求に応じてくれないときでも、裁判手続きであれば投稿を削除できます。

特に、同一人物が何度も誹謗中傷的な内容の投稿をすることあります。そういった場合には、本人を特定して損害賠償請求することが強い抑止力となります。

ただし、本人を特定するには、一定期間内に手続きを進めなければいけないといった時間的な制約が出てくることもありますので、注意が必要です。

5. まとめ:不動産業界における口コミ対策は詳しい弁護士に相談

口コミの削除請求を検討するときは、どのような方法を用いるのか、どのような理由付けをするのかなどしっかりとした見通しを立てる必要があります。

また、早急に手続きを取らないといけないケースもあります。

そのため、口コミでお困りのときは削除請求に詳しい弁護士に早めにご相談をしていただくことが重要です。口コミ対策で気になることがあるときは、よつば総合法律事務所までお問い合わせ下さい。

監修者:弁護士 加藤貴紀

お問い合わせはこちら