やめて欲しい従業員がいるのですがどのように進めればよいですか?

Q. やめて欲しい従業員がいるのですがどのように進めればよいですか。

A. まずはよく話し合って退職届の作成をしてもらえるかどうかを検討しましょう。どうしても合意に至らない場合には会社が一方的に行う手続きである解雇ができるかどうかを検討しましょう。

退職の場合の2つのパターン

従業員が退職する場合、従業員が退職に同意している場合と従業員が退職に同意していない場合があります。

従業員が退職に同意している場合

退職に同意している場合には従業員が退職届を作成して会社に提出することで手続きが円満に進みます。退職届などの書面がない場合、従業員から「退職の意思はない」と言われてしまうと争いになりますので、必ず退職届を作成してもらうようにしましょう。退職届は必ずしも捺印がなくても問題はありません。「一身上の理由により〇月〇日で退職します」というような趣旨の文章に署名をしてもらえばよいでしょう。 なお、会社側から退職を強要したと判断されてしまうと、従業員が退職しないということになってしまったり、慰謝料請求、損害賠償請求をされたりしてしまいますので注意が必要です。

従業員が退職に同意していない場合

従業員が退職に同意していないような場合には、解雇が可能かどうかを検討することになります。解雇には普通解雇、懲戒解雇、整理解雇などがあり、どのような場合に解雇ができるかは解雇の種類によっても異なってきます。解雇が後日無効とされてしまうと解雇が無効とされた時点までの賃金全額の支払義務が発生したり、解雇をした社員が再度会社に来るというようなこともあります。

解雇をする前には必ず弁護士に事前に相談をしてください!

例えば、年収480万円(月収40万円)の社員を解雇して2年間裁判で戦い、解雇の裁判で会社側が負けてしまうと、事実関係にもよりますが以下の金額を会社は支払いしなくてはならないことがあります。 月収40万円×24か月=960万円 また、事案によっては未払いの残業代やその他慰謝料などが認められてしまう事例もあります。解雇の判断は会社経営に影響を及ぼす重大な判断です。そのため、解雇をする前には必ず弁護士に事前に相談をしてください!

解雇をした結果既にトラブルになっている場合

解雇をした結果既にトラブルになっている場合には一日でも早く弁護士に相談をする必要があります。解雇の有効性を検討した上で具体的な交渉戦略を検討する必要があるからです。

まとめ

  • 従業員とよく話し合って退職届の作成をするという方法を基本にしましょう。
  • 解雇をする場合には事前に弁護士に必ず相談しましょう。
  • 解雇をめぐるトラブルが既に発生してしまっている場合には弁護士に1日でも早く相談して交渉戦略を検討しましょう。
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文責:弁護士 大澤一郎

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。