パワハラ防止法ー外部相談窓口を利用するメリット

<はじめに>

先日、「1時間で分かる!パワハラ防止法改正と企業の対応実務」というテーマにて、オンラインセミナーを開催しました。

セミナー後にアンケートを取らせていただきましたが、ハラスメント外部相談窓口に関するご質問が非常に多くありました。

そこで今回は、弁護士等の専門家に、ハラスメントの外部相談窓口を依頼するメリットにつきお話させていただきます。

なお、以前のブログ記事で、パワハラ防止法の解説記事を書きましたので、こちらもご参照ください。

パワハラ防止法の企業対応をコンパクトに解説します!
ー 改正点、外部相談窓口など

1. ハラスメント問題の難しさ

ハラスメントの案件は、①窓口への相談⇒②担当者が相談者からヒアリング⇒③担当者が行為者・第三者からヒアリング⇒④ヒアリング内容を踏まえた事実認定⇒⑤認定された事実がハラスメントに当たるかの法的評価⇒⑥⑤を踏まえた事後対応(配置転換・懲戒処分等)というプロセスを経るのが通常です。

(1)ヒアリング(②③)の難しさ

ハラスメントの事案においては、相談者・行為者の双方とも、感情的になってしまうことが良くあります。このような中で、適切に「事実」をヒアリングすることは困難を極めます。

また、特に中小企業においては、相談担当者と行為者との間で人的関係があることも多く、相談者の直属の上司が行為者であることも少なくないため、行為者のヒアリングを行うことが難しい場合もあります。

更に、中小企業においては、そもそも人的余裕がないこともあり、相談担当者を設置すること自体、困難であることも多いのが実情です。

(2)事実認定(④)の難しさ

ハラスメントの事案においては、明確な証拠が存在しないことも多くあります。

行為者が自認している場合は格別、行為者が否認しており、かつ明確な証拠もない場合には、第三者からのヒアリングも行い、被害者・行為者の供述の信用性等も踏まえて事実認定を行う必要がありますが、これは非常に難しい作業です。いわば裁判官的な目線(経験則を踏まえた事実認定)が必要となります。

(3)法的評価(⑤)の難しさ

また、指導とパワーハラスメントの区別が良く問題になりますが、明らかにパワハラと断定できるような事案は多くはなく、両者の線引きはかなり曖昧なのが実情です。過去の裁判例等も踏まえ、当該行為がパワハラに当たるかを評価する必要がありますが、この過程も非常に難しいと言えます。

2. 外部相談窓口を利用するメリット

色々と記載しましたが、ハラスメント問題の難しさは、①人的関係が絡む点(ヒアリング~評価に絡む問題)、②法的な見地が必要となる点(事実認定・法的評価)に集約されると思います。

弁護士等の専門家に外部相談窓口を依頼すれば、これらの問題点は解消することが可能です。

すなわち、会社から(ある程度)独立した立場でヒアリング~評価を行うことができるため、会社内の人的関係に縛られることなく、ハラスメント対応に当たることが可能です。また、法律の専門家として、適切に事実認定・法的評価を行うことが可能です。

3. おわりに

パワハラ防止法改正に伴い、ハラスメントの相談窓口を設置することが義務化され(大企業は施行済み、中小企業は令和4年4月1日~)、これから新たに相談窓口を設置する企業様も多いかと思いますが、上記のようなハラスメント問題の難しさに鑑みると、今後、外部相談窓口を活用する企業も非常に増えると予想しております。

当事務所でも、外部相談窓口のご依頼を承っておりますので(詳しくはこちら)、ご興味のある企業様は、是非一度お問い合わせいただけますと幸いです。

※なお、Zoom、Skype等を用いてお打ち合わせ、事実調査を行うことが可能ですので、千葉県内に限らず、県外の企業様もご利用いただけます。

以上

文責:弁護士 村岡つばさ