契約書作成・チェックの注意点についてです。
(顧問弁護士がいる会社様の場合、顧問弁護士に作成・チェックの依頼をした方がよいです。本記事では、会社経営者様や担当者様が契約書作成・チェックをする際の注意点を解説します。)
自社で契約書は提示するのが基本
自社で契約書を提示した方が有利に交渉を行うことが可能です。一般に、相手が提示した契約書は相手に有利になっていることが多いです。
また、相手の提示した契約書を大きく修正するのはビジネス上の観点から難しいこともあります。そのため、契約書案は自社で提示した方がよいです。
なお、インターネット上のひな型などを使用する場合には、「そのひな形が本当に自社に有利なのか」という点を考えることが大事です。
インターネットで探して提示したひな型が既に自社に不利ということもあるからです。
契約内容のリスクに応じた対策
契約内容のリスクに応じた対策を立てることが大事です。
会社の命運を左右するような契約の場合には弁護士に作成・チェックを依頼すべきです。
他方、少額の契約で会社に与える影響が少ない場合には、特段不利でなければさっさと契約書を作成してしまった方がよいかもしれません。
契約内容は明確に特定されていますか?
契約書の内容を見ても、契約内容がよくわからないという契約書があります。あえてあいまいにしているという目的があるのであれば問題ないですが、契約書では合意内容を明確にして後日のトラブルを防ぐのが基本です。
特に、(1)商品・サービスの具体的な内容、(2)金額、(3)支払時期、が明確になっていないと大きなトラブルになります。できるだけ明確にしましょう。
損害賠償の規定は自社に有利ですか?
自社が損害賠償を負う可能性の高い契約の場合、以下のように定めると自社に有利になります。
- 「損害賠償義務の上限は〇円」
- 「損害賠償は故意・重過失の場合だけ責任を負う」
逆に、相手が損害賠償を負う可能性の高い契約の場合、以下のように定めると自社に有利になります。 - 本契約に違反して相手方に損害(特別損害及び弁護士費用を含むが、これらに限られない。)を与えたときは、相手方に対し、当該損害につき賠償する責任を負う
契約内容の特定や、損害賠償額の規定は代表的な契約書のチェック事項の例です。
しかし、契約書のチェック事項は他にもありますので注意が必要です。例えば、重要性が高いものとしては以下の事項などです。
- 契約不適合責任に関連する事項
- 契約解除に関連する事項
- 危険負担に関連する事項
- 中途解約に関連する事項
- 知的財産に関連する事項
- 秘密保持に関連する事項
- 製造物責任に関連する事項
- 再委託に関連する事項
- 反社会的勢力に関連する事項
ビジネスにはリスクがあることは当然です。リスクとのバランスを図ることが大切です。契約書の内容によっては弁護士利用も検討しつつ、自社での契約書作成・チェックをしていただければと思います。
※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。