従業員支援プログラム(EAP)について

1. 従業員支援プログラム(EAP)とは

EAPとは、Employee Assistance Programの略で、心身に不調を来す従業員のケアを目的とした従業員支援プログラムのことをいいます。

もともとは、1950年代にアメリカで問題となった従業員のアルコール依存症のケアからはじまっています。

現在においては、従業員支援プログラム(EAP)の内容は多様なものとなっており、産業医、精神科医、臨床心理士、弁護士、社会保険労務士などの様々な分野の有資格者と相談することができる従業員支援プログラム(EAP)を導入する企業が増えてきています。

今回は、弁護士がサポートできる従業員支援プログラム(EAP)についてご説明します。

2. 弁護士が行う従業員支援プログラム(EAP)

弁護士による従業員支援プログラム(EAP)は、法律の専門家である弁護士が、従業員が抱える法的トラブルの相談を受け、問題の特定、改善・解決方法の提示、解決方法の実行などを実現するサービスです。

従業員が抱える法的トラブルを解決し、心おきなく職務に専念できるように環境調整をすることを目的としています。

人は人生において、さまざまなトラブルに遭遇します。従業員も例外ではなく、金銭問題や交通事故、夫婦関係、人間関係、介護・相続など、さまざまな法的トラブルを抱えることがあります。

法的なトラブルを抱えていると、日々の生活の中まで不安や悩みが常に付きまとってしまい、仕事のパフォーマンスが落ちてしまったり、人間関係でさらなるトラブルを起こしてしまうことがあります。

このようなとき、弁護士に相談すると、問題点や解決への見通しが明確になり、安心することができます。

3. 従業員支援プログラム(EAP)を導入する会社のメリット

従業員支援プログラム(EAP)の導入は、従業員にとっては、私生活上の法律問題について無料(ないし一般的な料金よりも低額)で気軽に弁護士に相談することができ、抱えている問題の解決の糸口がつかめるというメリットがあります。

しかし、メリットがあるのは従業員だけではありません。従業員支援プログラム(EAP)を導入することによって、会社にもメリットが生じるようになります。プログラム導入のメリットとしては、以下のようなことがあります。

  1. 離職率の低下
  2. 採用強化
  3. 生産性の向上
  4. 帰属意識の向上
  5. 早期の相談により従業員のストレスが軽減し、トラブルの重大化防止・解決が可能

生産年齢人口の減少が急速に進展する現代において、企業の生産性の向上のためには、優秀な人材の確保・定着及び従業員一人一人の生産性の向上が必要となってきます。

これからの企業においては、労働時間や待遇などの職場環境の改善だけではなく、従業員のプライベートにおける問題へのフォローまですることで、従業員満足度を向上していくことが重要となってきます。

4. 従業員支援プログラム(EAP)実施までの流れ

実際に従業員支援プログラム(EAP)が実施されるまで流れは、一般的には以下のとおりです。

  1. プログラム導入に関する相談
  2. 企業様と従業員支援プログラム契約を締結
  3. 従業員が従業員支援プログラムを利用して弁護士と相談
    弁護士が従業員に対して法的アドバイス
  4. (他の専門家の関与が必要な場合)提携する専門家の紹介
  5. 定期的に相談件数を報告
    ケースごとに改善案を提案

5. 最後に

当事務所では、千葉県最大級規模の法律事務所として培ってきた知識、経験、ネットワークを活かした弁護士による従業員支援プログラム(EAP)により、従業員のさまざまな法的トラブル解決のサポートを行っております。

プログラム導入に関する無料相談も行っておりますので、ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

文責:弁護士 大友竜亮

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。