業種
お困りの問題
担当弁護士

最終更新日:2024年7月12日

ご相談に至る経緯

製造業を営む会社経営者のA様は、父が創業した会社を継いで、20年以上も代表取締役社長をしていました。

A様が会社を継いでから、父は会社の経営にタッチしていませんでしたが、会社の株式の大半を保有していました。

そんな中、父が突然死亡し、相続が発生しました。その後、公正証書遺言が残されていることが分かりました。

その内容は不動産や預金を含むほとんどの財産をA様以外の他の相続人に相続させるものでした。

遺産である不動産や預金に比べると、会社の株式の価値はかなり低いものでしたが、A様は株式が他人の手に渡って会社が混乱することを回避したいと考えました。

そこで、株式の取得の方法をよつば総合法律事務所に相談しました。

解決までの流れ

A様は弁護士にこれまでの経緯を説明し、株式を取得するための他の相続人との交渉をよつば総合法律事務所に依頼しました。

弁護士はA様のご依頼に基づき遺留分の請求を行い、株式の取得に向けて他の相続人と交渉をしました。

結果・成果

弁護士が他の相続人との交渉を続けた結果、無事合意ができました。

合意内容は、A様が会社の株式をすべて取得し、その他の遺産は何ら取得しないという内容です。

価格でみるとA様の取得した財産はかなり少ないものでした。もっとも、A様は会社の株式をすべて取得できたことで、その後も安定して会社の経営を続けられました。

担当弁護士からのコメント

相続人間の合意ができないと会社が機能しなくなるおそれあり

被相続人が株式を保有していた場合、相続の発生により、株式は遺産分割がなされるまで共同相続人による準共有の状態となります。

会社法106条には以下の定めがあります。

株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式について権利行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名または名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りではない。

相続発生後に権利行使人を決めないと、誰も権利を行使できず、会社が機能しなくなるおそれがあります。

適切妥当な遺言書の作成が重要

会社が機能しなくなることを避けるためには、生前の対策が極めて重要です。

具体的には、株式の保有者である被相続人がお亡くなりになる前に、会社が円滑に運営できる内容の遺言を作成する方法です。

遺言書がないまま相続が発生したときは相続人間で早急に協議が必要

遺言書やその他の相続対策がないまま相続が発生した場合、会社の機能がストップしないよう早急に問題を解決する必要があります。

事前に弁護士と作戦を立てたうえで、相続人間で早急に協議をしましょう。

事業承継や相続は詳しい弁護士に相談

事業承継や相続は非常に難しい問題です。事業承継や相続のご相談は、詳しい弁護士への相談をおすすめします。

監修者:弁護士 前田徹

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