業種
お困りの問題 ,
担当弁護士

最終更新日:2023年7月20日

ご相談に至る経緯

派遣業を営む顧問会社様のご相談です。ご相談内容は次のとおりです。

  • 派遣先から派遣スタッフの個人情報の提供を求められた。
  • 必要な情報に思えたため、あまり深く考えずに派遣先に提供をした。
  • 無断で個人情報を提供したことについて、派遣スタッフから派遣元と派遣先へクレームが入った。

解決までの流れ

  • 派遣先や派遣スタッフとの契約内容、個人情報を提供した経緯などを顧問会社様は弁護士に説明しました。
  • 派遣先への個人情報の提供は法律に違反する可能性が高いと弁護士からアドバイスを受けました。
  • 法律違反の可能性が高いことを前提に、派遣スタッフや派遣元と調整を行いました。
  • 解決までに要した期間は2週間でした。

結果・成果

  • 派遣元への個人情報の提供が違法なのか、正確な見通しを得ることができました。
  • 弁護士のアドバイスにより派遣元として適切な対応がとれました。
  • 弁護士と相談しながら、同様の個人情報トラブルを防ぐための予防体制も整備できました。

担当弁護士のコメント

労働者派遣は、派遣元・派遣スタッフ・派遣先の三者が関わります。そのため、トラブルが発生すると三者全員が巻き込まれやすいです。

派遣元の立場は複雑です。

派遣先がお客様であることは明らかです。他方、雇用している社員とはいえ、派遣スタッフも実質的にはお客様です。派遣先と派遣スタッフ間のトラブルに派遣元が巻き込まれることも珍しくありません。

法律のルールと事実関係の把握が必要

トラブルになった場合、まずは正確に法的な見通しを持つことが重要です。具体的に把握すべきは法律のルールと事実関係です。理由は次のとおりです。

  • 派遣事業は許認可事業であり、法令遵守が強く求められる。
  • 派遣に関する法律のルールは非常に複雑であり、労働者派遣における各当事者がそもそも正しいルールを認識できていないこともある。
  • 当事者や関係者が多いため伝言ゲームになってしまい、各当事者が事実関係を正確に認識できていないことがある。

法律のルールや事実関係の認識が当事者間でずれている場合、いくら話し合っても平行線になりがちです。

また、法律のルールや事実関係を軽視すると、結局は声が大きい当事者に引きずられて対応してしまい、派遣元としての対応を誤ることがあります。

一方に忖度し過ぎて法的に誤った対応をすれば、他方と深刻な法的トラブルになります。

状況によっては派遣元の許認可に影響するかもしれません。

個人情報の重要性

派遣業を含む人材サービス業では、個人情報は重要な資産です。過去には大手人材サービス業における不祥事も発生しています。利用者の個人情報への関心も高いです。

人材サービス業は個人情報を適切に取扱わねばなりません。しかし、法律のルールは複雑です。弁護士のサポートがない限り、適切な対応が難しいのが現状です。

そのため、許認可事業である派遣業は、いつでも気軽に法律のルールやトラブル対応を相談できる専門家の関与が重要です。

詳しい弁護士にまずは相談

よつば総合法律事務所は人材サービス会社様に関する多くの対応実績がございます。

400社以上の顧問先企業様の法律問題の解決への取り組みを生かして、企業経営に関するご支援をしております。まずはお気軽にご相談ください。

注:事案の本質を損なわない範囲で一部事案内容を変更している場合があります。

監修者:弁護士 村岡つばさ

お問い合わせはこちら