企業様必見!刑事告訴についての解説!

企業様で刑事トラブルが発生することもあるかと思います。

そのようなケースで、刑事事件として犯人を処罰したいとき、刑事告訴という手段が有効です。本記事では、刑事告訴の意味、手続の流れ、注意点などを説明します。

1. 刑事告訴とは

刑事告訴とは、犯罪被害者が捜査機関である警察官や検察官に対して犯罪の申告をして、処罰を求める意思表示です。

被害届は通例犯罪や被害発生の事実のみを記載していることが多いので、犯人の処罰を求める意思表示が含まれている点で異なります。

2. 刑事告訴をする意味

犯罪の捜査は、警察などの捜査機関が犯罪の発生を知った時に開始されます。

刑事告訴は捜査機関に犯罪の事実を伝えて、犯人処罰の意思表示をすることで捜査機関に動いてもらうために必要です。

また、親告罪といって、被害者による告訴がなければ公訴提起することができない犯罪の場合(器物損壊罪、名誉毀損、侮辱罪など)、告訴は公訴するためにも必要な要件となってきます。

3. 刑事告訴をした場合の手続の流れ

警察は告訴を受けたとき、管轄区域内の事件であるかどうかを問わず、告訴を受理することになっています(犯罪捜査規範63条)。

そして、捜査機関は告訴を受理した場合、速やかに捜査を行うように努めることになっています(犯罪捜査規範67条)。

司法警察員は告訴を受けたときは、速やかに告訴に関する書類や証拠物を検察官に送付しなければならないとされています(刑訴法242条)。

4. 刑事告訴を行うにあたっての注意点

刑事訴訟法や犯罪捜査規範における手続の流れだけみると、告訴をした後に、速やかに捜査が行われて検察官に送致されるように思います。

しかし、実際は、刑事告訴をしてから、検察官に送致されるまでに時間がかかることが多いです。

刑事告訴を行う際は、犯罪事実を警察に申告して処罰を求めるだけではなく、事実関係をきちんと整理して、証拠資料をしっかり準備することが大切です。

親告罪の場合は、原則として「犯人を知つた日から六箇月を経過したときは、これをすることができない」(刑訴法235条)ので、期限の注意も必要です。

そのほか、民事で損害賠償請求等を検討されている場合は、請求権の時効にも注意をする必要があります。

5. まとめ

刑事告訴を行う場合は、事前に事実関係の整理や証拠の準備をきちんと行うことが重要になってきます。

そのほか、捜査機関との対応、期限の問題など注意するべき点が複数あるので、一度弁護士に相談することをおすすめいたします。

刑事訴訟法

  • 第二百三十条 犯罪により害を被つた者は、告訴をすることができる。
  • 第二百三十五条 親告罪の告訴は、犯人を知つた日から六箇月を経過したときは、これをすることができない。ただし、刑法第二百三十二条第二項の規定により外国の代表者が行う告訴及び日本国に派遣された外国の使節に対する同法第二百三十条又は第二百三十一条の罪につきその使節が行う告訴については、この限りでない。
  • 第二百四十二条 司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。

犯罪捜査規範

(告訴、告発および自首の受理)

  • 第六十三条 司法警察員たる警察官は、告訴、告発または自首をする者があつたときは、管轄区域内の事件であるかどうかを問わず、この節に定めるところにより、これを受理しなければならない。
  • 2 司法巡査たる警察官は、告訴、告発または自首をする者があつたときは、直ちに、これを司法警察員たる警察官に移さなければならない。

(自首調書、告訴調書および告発調書等)

  • 第六十四条 自首を受けたときまたは口頭による告訴もしくは告発を受けたときは、自首調書または告訴調書もしくは告発調書を作成しなければならない。
  • 2 告訴または告発の口頭による取消しを受けたときは、告訴取消調書または告発取消調書を作成しなければならない。

(書面による告訴および告発)

  • 第六十五条 書面による告訴または告発を受けた場合においても、その趣旨が不明であるときまたは本人の意思に適合しないと認められるときは、本人から補充の書面を差し出させ、またはその供述を求めて参考人供述調書(補充調書)を作成しなければならない。

(被害者以外の者の告訴)

  • 第六十六条 被害者の委任による代理人から告訴を受ける場合には、委任状を差し出させなければならない。
  • 2 被害者以外の告訴権者から告訴を受ける場合には、その資格を証する書面を差し出させなければならない。
  • 3 被害者以外の告訴権者の委任による代理人から告訴を受ける場合には、前二項の書面をあわせ差し出させなければならない。
  • 4 前三項の規定は、告訴の取消を受ける場合について準用する。

(告訴事件および告発事件の捜査)

  • 第六十七条 告訴または告発があつた事件については、特にすみやかに捜査を行うように努めるとともに、次に掲げる事項に注意しなければならない。
  • 一 ぶ告、中傷を目的とする虚偽または著しい誇張によるものでないかどうか。
  • 二 当該事件の犯罪事実以外の犯罪がないかどうか。

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文責:弁護士 辻悠祐

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。