裁判に勝つための証拠集め

今回は、裁判に勝つための証拠集めの方法について、一つ紹介しようと思います。それは、「相手に弁護士が介入したことを通知する前に証拠を集める」方法です。どういうことかというと、弁護士からすぐに相手に通知を送るのではなくて、本人で証拠を集めてから弁護士からの通知をした方が良いときがあるということです。

具体的な裁判の例としては、以下のようなものです。

事例)Aは不動産売買契約の買主、Bは売主、CはBの代理人です。当方はAです。売買代金500万円ということで合意をしてAがCに500万円を交付したところCがお金を着服した事案です。移転登記は未了。Bは資産多数あり。500万円の領収書以外にはほとんど書証がありませんでした(売買契約書もなし)。Cには資産がありませんでした。

上記のような事案において、裁判に勝つための証拠収集方法として、以下のような方法が考えられます。

  1. A本人からBに電話をかけてもらう
  2. CがBの代理人であることがわかる内容の電話にしてもらう(CがBの代理人であることはその時点ではABCには大きな争いがないと思われる場合)
  3. 電話内容を録音する

以下の録音をとってから、弁護士名での内容証明郵便、訴訟提起を行います。このような証拠を事前に集めておくと、訴訟の場で相手方が代理権を争ってきても、すでに証拠が存在するので、代理権の争点では裁判で勝つことができます。

弁護士が代理したことを相手が知る前であれば、意外と相手は本音を話したり、本当のことを相手は書面に記載することが多いです。逆に弁護士が代理した後だと、相手は本当のことを言わなくなる傾向があります。

また、弁護士代理して、内容証明郵便を送付した後に作成した書証や、弁護士が代理した委任状の日付以降に作成された書証は裁判官の信用度が低くなることもあります。弁護士が裁判に勝つためにいろいろと考えて作成した書証と裁判官が考えることがあるからです。

1日でも早く弁護士から相手に通知を送ったほうが良いと思われるかもしれませんが、裁判になったときに今手元にある証拠で勝てるかという観点から考えることが重要です。事案によっては、すぐに弁護士から通知を送るのではなく、まずは本人から証拠収集を試みてみることが、裁判に勝つ最善の方法であることがあります。裁判では、書類や録音など、客観的な物証がとても重視され、言った言わないというような話はほとんど証拠にならないことがあります。

裁判に勝つためには、初動の証拠集めが肝要になってきます。トラブルが生じた際には、すぐに専門家にご相談いただくと良いと思います。

以上

文責:弁護士 大友竜亮