業種
お困りの問題 , ,
担当弁護士

最終更新日:2018年6月2日

相談前

サービス業を営むA社は、創業者の社長がいましたがお亡くなりになりました。その後、兄弟3人で一定の割合で株式を相続しました。

兄弟2人で66%を超える株式を相続しており、残りの1人が33%を切る割合の株式を相続しています。多数株主の兄弟2人と少数株主の兄弟1人がもめてしまいました。

ある日、少数株主から会社宛てに、会社の会計帳簿全てを見せて欲しいという請求があり、弁護士に相談しました。

相談後

会計帳簿の閲覧謄写請求の対象が帳簿全てだったため、開示する義務が会社にそもそもあるのかどうか疑問の状態でした。そのため、顧問契約を締結の上、弁護士が事実関係の調査を行いました。

その上で、会計帳簿の閲覧謄写を必要とする理由について弁護士名での質問を出しました。そして、会計帳簿の閲覧を必要とする理由と関連して必要な範囲で会計帳簿を開示する旨を回答しました。

しかしながら、少数株主は納得せずに、会計帳簿の閲覧謄写を求める仮処分と訴訟を提起してきました。最終的には、裁判前に開示をする旨を説明した資料の範囲内でのみの開示をする旨の判決がでました。(仮処分は保全の必要性(緊急性)がないということで却下となりました。)

担当弁護士からのコメント

原則として、3%以上の株式を有する株主は会社に対して会計帳簿の閲覧謄写請求をすることができます。そのため、会社が資料の開示全てを一律に拒むことはできません。

閲覧謄写請求の場合には、請求をする理由を明らかにする必要があります。請求をする理由が明らかではない開示請求の場合、会社は開示を拒むことができます。

一定の場合には、会社は閲覧謄写請求を拒むことができます。例えば、

  1. 株主が権利の確保あるいは調査目的以外で請求を行っているとき
  2. 会社の業務を妨げ、株主の共同の利益を害する目的があるとき
  3. 会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき
  4. 知りえた事実を、利益を得て第三者に通報するために請求したとき
  5. 過去2年以内において閲覧請求で知りえた事実を利益を得て第三者に通報したことがあるとき

などです。

会計帳簿の閲覧謄写請求があった場合、経験上、株主側の請求する内容が過大になっていることが多いです。そのため、会社側としては法律上開示する義務が本当にある帳簿であるかどうかを慎重に検討する必要があります。

監修者
よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎

代表弁護士。人事労務、契約書作成やチェック、債権回収、会社関係訴訟などを多く取り扱っています。スピードを重視しつつ、法律のプロとして皆様の具体的な行動をアドバイスすることをモットーとしています。千葉県弁護士会所属(登録番号29869)。

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