無料をうたう求人広告に改めてご注意ください

無料求人広告だと思って広告掲載を行ったところ、突然多額の求人広告料金の請求を受けるという求人広告を利用したトラブルについて、相談を受ける機会が改めて増えています。

このトラブルは、かつて全国各地で問題が起こり、日本弁護士連合会でも「無料インターネット求人広告トラブルが増えています」と注意喚起を行っています。

また、各地の弁護士会でも注意喚起が行われています。

当事務所でも、2019年4月に粟津弁護士が【「無料」を謳う求人広告掲載の勧誘にお気を付けください】というブログを投稿しています。

2021年になった現在でも引き続き発生しており、コロナ禍においても突然多額の求人広告料金の請求を受けるというトラブルは依然として発生し続けています。

ご相談をお受けするトラブルの内容は2019年と変わっていません

2019年4月の記事において、実際のトラブル例として、

  • 「無料」を謳って求人広告サイトと評する求人広告への掲載を勧誘される。
  • 申し込みを行っても特に応募や成果はない。
  • 一定期間経過後、数万円から数十万円の掲載料を請求される。

というご相談を受けることが紹介されています。

2021年においても同様の手法で勧誘が行われており、ご相談の内容は当時から変わっておりません。

求人広告の効果は0

掲載された求人広告サイト自体がとても簡易的なものであり、広告費用も投下されていないことが明らかなものです。よって、求人広告としての効果は0であり、応募はまずありません。

にもかかわらず、期間経過に伴う自動更新等により掲載料を請求されてしまうのです。そして、数十万円という支払いが不可能ではない金額であることから、「求人広告は確かに出ていたのだから、費用は払わなければならないのかもしれない・・・」と思って、弁護士に相談することなく、支払を行ってしまう方がいらっしゃるものと思います。

対策について

2019年4月の記事において、法的な問題として、契約の不成立や錯誤、詐欺取消の主張が紹介されています。

2021年においても基本的な対策は変わりありません。

契約不成立という主張は、「無料です!」と強調しており、小さな文字で自動更新の記載がされていたとしても、そもそも有料契約に自動更新されるという合意がなされていない以上、契約として成立していないという主張です。

また錯誤の主張は、契約の根幹である料金について無料と誤信していて申し込んだのだから錯誤があるという主張です。

そして詐欺取消の主張は、価値のない求人広告を形だけ行って価値があると装い、有料契約に自動更新になることを秘して料金を請求したのであるから、詐欺として取り消すことができるという主張です。

最後に

安易に業者の請求に応じないことが何より重要です。千葉県を含め全国で中小企業を中心に頻発していますので、改めてくれぐれもお気を付けください。

契約の際には内容について十分にご検討いただき、少しでも疑問な点があれば弁護士にご相談ください。

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文責:弁護士 根來 真一郎

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。