インターネットにおける権利侵害の対応①

これから、第3回にわたり、ネットの書き込みで誹謗中傷されるなどの権利侵害をされた場合にどのような対応があるのか説明していきたいと思います。

第1回では、インターネットを使用するうえでよく使われる専門用語や仕組みの説明をしたいと思います。

1.ウェブページ・ウェブサイトの閲覧の仕組み

まずは、普段何気なく使っているウェブページやウェブサイトの意味や仕組みを説明します。専門用語はわかりにくいので、具体例を取り入れつつ説明します。

インターネット上にある文書(画像も含む)のことをウェブページと呼びます。まさに、今閲覧していただいている、このページがウェブページですね。そのウェブページの集合体をウェブサイトと呼びます。たとえば、当事務所のホームページはもちろん、インスタグラムやYouTubeなどもウェブサイトに含まれます。

ウェブページを閲覧するためには、インターネットに接続して閲覧を行う必要があるため、ブラウザというソフトウェアを利用する必要があります。たとえば、Google ChromeやInternet Explorer、Microsoft Edgeといったものですね。

ウェブページを閲覧するとは、利用者がブラウザを介して、インターネット上に接続している特定のサーバーコンピュータに、ウェブページ閲覧の指示を出して、サーバーコンピュータからデータの提供を受けて画面で表示することをいいます。

サーバーコンピュータとは、ウェブページのもとのデータが保存されているパソコンといったイメージで大丈夫です。

以上、少し複雑な説明になってしまったかもしれませんが、簡単にいうと、利用者がサーバーにリクエストを出して、それに対してサーバーがレスポンスする形でウェブページを閲覧できているわけです。

2.インターネットの情報発信。残る足跡。

ブログに投稿したり、インスタグラムに投稿したり、電子掲示板に投稿することは、そのウェブページのデータもとのサーバーコンピュータに対して、投稿した内容を追加してほしいと指示をして、指示を受け取ったサーバーコンピュータはデータを更新して、それ以降、利用者からウェブページ閲覧のリクエストがあった場合には、追加指示のあった更新データを提供するようになります。

サーバーコンピュータには、いつ、どこから、どのようなリクエストがなされたのかという記録を残しておくことが可能です。このような記録のことをアクセスログといいます。

アクセスログはいわば足跡のようなもので、インターネットで情報発信をするということは足跡を残すようなものなのです。よって、この足跡をたどれば、誰が情報を発信したのかも判明します。

このように、インターネットには完全な意味での匿名性はないのです。

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文責:弁護士 辻悠祐

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