業種 | 学校・学習塾・教育 |
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お困りの問題 | 不動産 |
担当弁護士 | 佐藤 寿康 弁護士 |
最終更新日:2019年3月14日
相談前
創業者が学校法人に対してある土地を資材置場として提供し、学校法人はその土地を資材置場として使用し始めてから既に30年ほど経過していました。
しかし、その土地は創業者個人の名義のままで、その創業者は既に亡くなられていました。なお、創業者の血族は現在学校法人の内部にはいませんでした。
学校法人の理事の方は、その土地が創業者名義のままであることについて不安に思い、弁護士に相談しました。
相談後
弁護士は、創業者の相続人の確定作業から始めて相続人に対して手紙を送り、事情を説明して学校法人への登記名義の移転に協力を求めました。
相続人の一部からは協力(具体的には登記名義の移転に承諾する旨の書面への署名押印及び印鑑登録証明書の提出です。)を受けることができましたが、一部の相続人からは協力が得られませんでした。
そこで、協力を得らない相続人に対して訴訟を提起しました。ほとんどの相続人からは何らの応答がなく勝訴判決を取得しました。
1名の相続人からは担当弁護士のところに苦情の電話がありましたが、誤解に基づく苦情であったことからその誤解を解くべく粘り強く説明し、最終的には応訴せずに判決確定まで至りました。
結果、無事に学校法人への所有権移転登記を行うことができました。
担当弁護士からのコメント
代々の理事の方は、「この土地は個人名義だけどずっと前からこういう状態だったのだから別に構わない。」と思っていたようです。
どんな案件でも問題点が顕在化しないうちはそう考えがちであることは否定しません。
しかし、将来いつその問題が顕在化するか分かりません。
これでよいのかと思って弁護士に相談した理事の方の措置は非常に適切なものでした。
既に亡くなられた個人名義の土地の移転登記を実現するためには、その相続人全員について協力を受けるか勝訴判決を取得するかしなければなりません。
時間が経過すればするほど、そうした相続人の数は増加します。
協力せず、訴訟手続でも激しく争ってくる相続人が1人でも存在すると、それだけ解決までの期間が長引きます。
実際、本件でも誤解に基づいて争う相続人が1名いました。
この事例も、「ずっと前からこの状態なのだがこれでよいのだろうか。」と疑問を持つこと、疑問に思ったときは専門家に相談することが適切であることを示しています。
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