最終更新日:2026年6月22日
有給休暇は、労働基準法にもとづいて労働者に与えられた権利です。企業は、労働者に対して有給休暇を正しく付与し、取得状況を管理しなければなりません。
また、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対し、年5日の有給休暇を確実に取得させる義務が課されています。
違反した場合は罰則の対象となり、企業は対象労働者1人につき30万円以下の罰金が科される可能性があります。
しかし、実務の現場では、「有給休暇を付与しているが、取得状況を十分に管理できていない」「要件の解釈を誤っていた」という企業も少なくありません。
本記事では、有給休暇の基本的な仕組みから、付与日数、取得義務、違反時の罰則、そして企業が実務で取るべき対応まで、体系的に解説します。
1. 有給休暇とは?基本ルールを理解する
まずは、有給休暇制度の定義と法的な位置づけを整理しておきましょう。実務では細かい解釈が問われる場面も多いため、あらためて確認しておく価値があります。
1.1 有給休暇の定義
有給休暇とは、賃金が支払われる休暇のことです。
通常、労働者が働かない日には賃金が発生しません。これを、「ノーワーク・ノーペイの原則」といいます。有給休暇は、この原則の例外として、休んでも賃金が支払われる仕組みになっています。
正式名称は「年次有給休暇」といい、1年ごとに一定の日数が付与されることから「年次」という言葉がつけられています。労働基準法39条 にもとづく法律上の制度であり、企業が独自の判断で廃止したり、実質的に使えないようにしたりすることは許されません。
有給休暇制度の目的は、労働者が心身の疲労を回復し、豊かな生活を送れるようにすることにあります。休養によって集中力や生産性が回復し、企業にとっても業務の質向上や離職率低下といったメリットにつながります。
1.2 有給休暇は労働者の権利
有給休暇は、一定の要件(詳しくは次章)を満たした時点で法律上当然に発生する労働者の権利です。企業が「認める、認めない」を判断するものではなく、条件を満たせば当然に付与されます。
かつては、「忙しいから」「みんながいるから申し訳ない」という理由で、有給休暇の取得をためらう労働者が多くいました。そのため、せっかく付与された休暇が、使われないまま消滅するケースが後を絶ちませんでした。
こうした実態を踏まえ、現行の労働基準法は、企業側が労働者に一定の日数の有給休暇を取得させなければならないと定めています。労働者が自発的に申請しなかったとしても、企業が取得状況を管理し、必要に応じて労働者と相談しながら有給休暇を取る日を決める必要があります。

2. 有給休暇の付与条件と日数
有給休暇は入社した全員に即日付与されるわけではありません。法律上の発生要件と、雇用形態・勤続年数ごとの付与日数を正確に把握しておくことが、管理ミスの防止につながります。
2.1 付与される条件
有給休暇は、次の2つの要件をいずれも満たした時点で初めて発生します。
① 継続勤務期間
雇入れの日から6か月間継続して雇用されていることが必要です。雇用形態は問いません。正社員や契約社員、パート・アルバイトでも対象になります。
派遣社員も、派遣元との雇用関係が6か月継続していれば対象です。また、有期契約が繰り返し更新されている場合には、最初の契約開始日から通算して継続勤務期間を計算します。
② 出勤率
6か月間の全労働日の8割以上を出勤していることが必要です。「全労働日」とは、その労働者が出勤すべきとされている日、つまり所定労働日の合計です。
有給休暇を取得した日や、労災による休業日、産前産後休業・育児休業・介護休業の期間は、出勤したものとみなして計算します。
以上の条件を満たした日を「基準日」と呼びます。この日から有給休暇が発生し、その後は1年ごとに、出勤率8割以上を維持していれば順次付与されます。
2.2 付与日数の一覧
週の所定労働時間が30時間以上、または週の所定労働日数が5日以上の労働者には、勤続年数に応じて次の日数の有給休暇が付与されます。
| 勤続年数 | 付与日数 |
|---|---|
| 6か月 | 10日 |
| 1年6か月 | 11日 |
| 2年6か月 | 12日 |
| 3年6か月 | 14日 |
| 4年6か月 | 16日 |
| 5年6か月 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 20日(上限) |
付与された有給休暇の有効期間は2年間です。当年度に取得しきれなかった分は、翌年度に繰り越せます。ただし、翌々年度への繰り越しはできず、その時点で消滅します。
なお、企業が就業規則等によって2年を超える有効期間を設けることは可能です。
2.3 パート・アルバイトの扱い
「パートやアルバイトには有給休暇は不要」と思われがちですが、これは誤りです。週の所定労働日数が少ないパート・アルバイトにも、労働日数に応じた有給休暇を与えなければなりません。
週の所定労働日数が4日以下、かつ週の所定労働時間が30時間未満の労働者の有給休暇の付与日数は、次の表のとおりです。
| 勤続期間 | 週の所定労働日数 (年間所定労働日数) |
|||
|---|---|---|---|---|
| 4日 (169~216日) |
3日 (121~168日) |
2日 (73~120日) |
1日 (48~72日) |
|
| 6か月 | 7日 | 5日 | 3日 | 1日 |
| 1年 6か月 |
8日 | 6日 | 4日 | 2日 |
| 2年 6か月 |
9日 | 6日 | 4日 | 2日 |
| 3年 6か月 |
10日 | 8日 | 5日 | 2日 |
| 4年 6か月 |
12日 | 9日 | 6日 | 3日 |
| 5年 6か月 |
13日 | 10日 | 6日 | 3日 |
| 6年6か月以上 | 15日 | 11日 | 7日 | 3日 |
ここで重要なのが、パートタイム労働者でも、勤続年数が延びれば「年10日以上」の有給休暇を取得できるようになるということです。
たとえば週4日勤務の場合は勤続3年6か月、週3日勤務の場合は勤続5年6か月の時点でそれぞれ有給休暇の付与日数が10日に達します。この時点から、後述する「年5日の取得義務」の対象となります。
「うちのパートさんは対象外だろう」と思い込んで管理を怠ると、法違反を見落とすおそれがあります。長期在籍のパート・アルバイト社員については、特に注意が必要です。
3. 有給休暇の取得ルール
有給休暇をいつ・どのように使うかをめぐっては、労働者側の権利と企業側の調整が複雑に絡み合います。
原則と例外の両方をきちんと理解しておくことが、現場での適切な対応につながります。
3.1 原則:労働者の自由
有給休暇をいつ取得するかは、原則として労働者の自由です(労働基準法39条5項 )。労働者は、希望する日を指定(時季指定)して企業に申請し、企業はその申請を受け入れる義務を負います。
取得の理由は問いません。旅行でも、通院でも、特に理由がなくても、有給休暇の申請を拒む根拠にはなりません。
3.2 会社の時季変更権
ただし、有給休暇の自由取得には、例外が1つあります。
労働者が指定した日に休暇を与えることが「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、企業は取得時期を変更させることができます(労働基準法39条5項ただし書き )。これを「時季変更権」といいます。
時季変更権の行使が認められる典型例としては、繁忙期や、代わりの人員を確保することが困難な期間などが挙げられます。
ただし、「忙しい」というだけでは不十分で、客観的に見て、業務の遂行が困難であることが必要です。
また、時季変更権はあくまでも有給休暇の取得日を変更させる権限です。有給休暇そのものを拒否する権限ではないため、注意しましょう。
なお、退職が決まっている労働者が、退職日までの間に有給休暇を申請した場合は、時季変更権を行使できません。退職後に取得させることが不可能だからです。
4. 企業には有給休暇を取得させる義務がある
有給休暇に関しては「企業が労働者に確実に取得させる」ことまでが法的な義務とされています。
4.1 年5日の取得義務
企業は、年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、基準日から1年以内に5日の有給休暇を取得させなければなりません(労働基準法39条7項 )。
対象となるのは、雇用形態を問わず、「その年度に新たに付与された有給休暇の日数が10日以上になる」すべての労働者です。正社員だけでなく、有期雇用労働者やパートタイム労働者も対象になります。管理監督者も対象から除外されません。
なお、前年度から繰り越された日数は10日のうちに含まないため、注意しましょう。
たとえば、今年度の有給休暇の新規付与が8日の労働者が、前年度から2日繰り越して合計10日になっているケースは、対象外となります。あくまでも当年度の新規付与日数だけで10日以上になることが、義務の対象となる要件です。
4.2 時季指定義務とは
時季指定義務とは、年5日の取得義務を果たすために、企業が労働者に対して有給休暇の取得時季(日程)を指定しなければならない制度のことです。
労働者が自発的に有給休暇を申請しない場合でも、企業は取得状況を確認し、年5日に足りない分について取得日を指定する必要があります。
ただし、企業が一方的に日程を決めてよいわけではありません。時季指定を行う際は、労働者の意見を聴き、その意見を尊重した上で取得日を決定することが求められます。
また、時季指定が必要になるのは、労働者の有給休暇取得日数がまだ5日に達していない場合に限られます。
次の方法ですでに5日以上が確保できている場合は、企業が改めて時季を指定する必要はなく、また指定することもできません。
- 労働者自身が申請して取得した場合
- 計画的付与(労使協定にもとづく一斉付与等)によって取得した場合
これらの取得分と企業の時季指定分を合計して5日に達すれば、企業の義務は果たされたことになります。
しかし、いずれの方法によっても5日に届かなかった場合は、企業が義務違反の責任を負います。
4.3 違反した場合の罰則
年5日の有給休暇取得義務に違反した場合、対象労働者1人につき30万円以下の罰金が科される可能性があります(労働基準法120条 )。複数の対象労働者が未取得であれば、人数分の違反として扱われます。
また、時季指定を行うこと、対象労働者の範囲、時季指定の方法を就業規則に記載していない場合も、労働基準法89条 違反として30万円以下の罰金の対象となる可能性があります(労働基準法120条)。
なお、労働基準監督署による調査では、まず是正指導が行われるのが通常です。しかし、指導に従わない場合や悪質な場合には、書類送検や起訴に至ることもあります。
5. よくある違法なケース
有給休暇のルールを理解していても、実際の運用で違反が起きることがあります。特に、取得申請への対応や、年次有給休暇管理簿の作成には注意が必要です。
5.1 有給を取得させない
付与要件を満たしている労働者から有給休暇の申請があった場合、企業は原則として取得を拒否できません。
「繁忙期だから」「前例がないから」などと理由をつけて有給休暇の取得を拒否することは、違法な行為となる可能性が高いです。
労働者が請求した時季に有給休暇を与えない場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金(労働基準法119条 )の対象になる可能性があります。
もちろん、事業の正常な運営を妨げる場合には、企業が時季変更権を行使できることがあります。ただし、時季変更権は、取得日を別の日に変更する権限です。有給休暇そのものを拒否する権限ではありません。
また、有給休暇を取得した労働者に対して、賞与の減額や人事評価の低下、不利益な配置転換などといった不利益な扱いをすることも許されません。
5.2 有給を実質的に使わせない
有給休暇の申請を表向きは受理しながら、「この時期に休まれると困る」「みんなが忙しいときに休むのか」といった言動で、暗に取得を思いとどまらせることは、実質的な取得妨害にあたります。
また、有給休暇取得者の業務を補う体制を意図的に整えず、「休んだら仕事が回らない」という状況を放置することも同様です。
形式上は有給休暇の取得を認めていても、こうした職場の雰囲気や慣行によって労働者が事実上休めない状態になっている場合、企業は義務を果たしているとはいえません。
その結果、年5日の有給休暇の取得が達成されなければ法律違反となります。また、有給休暇の取得を理由に不利益な扱いをすることも、労働基準法で禁じられています。
5.3 有給休暇の管理をしていない
有給休暇の取得義務を果たすためには、各労働者の有給休暇の取得状況を把握しておく必要があります。
そのため、企業は、労働者ごとに有給休暇を取得した時季、取得日数、基準日を明らかにした「年次有給休暇管理簿」を作成し、保存しなければなりません(労働基準法施行規則24条の7 )。実務上は、付与日数や残日数もあわせて管理しておくとよいでしょう。
管理簿がなければ年5日の取得義務を果たしているか確認できません。労働基準監督署の調査が入ったときにも、会社の運用を説明しにくくなります。
また、企業が時季指定を行う場合は、対象者の範囲や時季指定の方法を就業規則に記載する必要があります。就業規則に必要な規定がない場合も、管理体制の不備として法違反に問われる可能性があります。

6. 企業が取るべき実務対応
有給休暇のルール違反を防ぐには、制度を理解するだけでは足りません。労働者ごとの付与日数や取得状況を管理し、必要に応じて取得を促す仕組みを整える必要があります。
ここでは、企業が実務で取るべき対応を3つ解説します。
6.1 有給管理の仕組みづくり
まず、労働者ごとに有給休暇に関する次の情報を整理しましょう。
- 基準日(有給休暇が付与される日)
- 当年度の新規付与日数
- 前年度からの繰越日数
- 取得日
- 取得日数
- 残日数
- 年5日の取得義務の対象者かどうか
これらの情報をもとに、「年次有給休暇管理簿」を作成します。
年次有給休暇管理簿は、エクセルなどの表計算ソフトで作成することも可能です。しかし、従業員数が多かったり、パート・アルバイトが多かったり、シフト制をとっている企業では、付与日数や取得日数の管理が複雑になりやすいです。管理ミスを防ぐため、自動集計が可能な勤怠管理システムの活用も検討するとよいでしょう。
そのうえで、基準日から6か月が経過しても有給休暇の取得日数が5日に達していない労働者がいる場合は、計画的な取得を促したり、企業から時季指定を行うフローをあらかじめ定めておくことが重要です。
なお、年次有給休暇管理簿は、当該有給休暇を与えた期間中と、その期間の満了後、一定期間保存する必要があります。現在は、当分の間、3年間保存する取扱いとされています。
6.2 計画的付与制度の活用
「計画的付与制度(計画年休)」とは、労使協定を締結することで、有給休暇のうち5日を超える部分について、あらかじめ取得日を企業が計画的に割り振ることができる制度です。
たとえば、夏季休暇や年末年始に合わせて一斉に有給休暇を取得させる「一斉付与」方式や、チームごとに交互に休暇を取得させる「班別付与」方式などがあります。
計画付与制度を導入することで、従業員が個別に有給休暇を申請する手間が省け、企業側も業務計画を立てやすくなります。
また、職場に「休みにくい」という雰囲気がある場合でも、会社として取得日を決めることで、有給休暇の取得を進めやすくなります。
ただし、導入にあたっては労使協定の締結が必須です。あわせて、就業規則への根拠規定を記載しなければなりません。
すでに計画的付与制度を導入している企業でも、労使協定や就業規則の内容が現在の運用に合っているか、定期的に確認することをおすすめします。
6.3 就業規則の整備
企業が時季指定を行う場合には、次の内容を就業規則に記載する必要があります(労働基準法89条 )。
- 時季指定を行うこと
- 対象となる労働者の範囲
- 時季指定の方法
これらの記載がない場合、就業規則の整備不備として法違反を問われる可能性があります。
また、計画的付与を実施する場合も、就業規則に根拠規定を設けなければなりません。
既存の就業規則が古いまま放置されている場合、実態と規則の内容がずれている可能性があります。次の4点を中心に点検することをおすすめします。
- 時季指定の手続き・対象・方法が明記されているか?
- 計画的付与を実施する場合の規定が設けられているか?
- 有給休暇の繰越ルール・消滅時効が明記されているか?
- 半日単位・時間単位取得の可否と手続きが規定されているか?
有給休暇の運用は、現場任せにすると部署や店舗ごとに対応がばらつきやすくなります。就業規則と実際の運用を一致させておくことで、従業員とのトラブルを防ぎやすくなります。
7. よくある質問(FAQ)
ここでは、有給休暇の取得について、実務の現場でよく寄せられる疑問にお答えします。
7.1 有給は拒否できる?
企業が有給休暇の取得を拒否することは、原則としてできません。
取得日の変更、つまり時季変更権は、有給休暇を従業員が希望する日に取得されると事業の正常な運営を妨げる客観的な事情がある場合に限り認められます。
しかし、これはあくまでも「いつ取るか」を変更する権限です。有給休暇そのものを取らせない対応は、法律違反となります。
7.2 退職時の有給消化を拒否できる?
退職が決まっている労働者が、未消化の有給休暇の取得を申請した場合、企業はこれを拒むことができません。退職日までの日数が限られている場合、企業が有給休暇を別の日に変更する余地がないため、時季変更権を行使することも困難です。
退職時に大量の有給休暇がまとめて申請されるケースは実務上よく見られますが、これは未消化分が多く残るまで、有給休暇を取得しやすい環境を整えられていなかったことの表れでもあります。日頃から計画的に有給休暇の取得を促し、未消化日数が多く残らないように管理しておくことが大切です。
7.3 有給の買い取りはできる?
有給休暇の買い取りは、労働基準法39条 に違反するため、原則禁止されています。
有給休暇は、労働者に実際に休暇を取得させるための制度です。有給休暇を買い取って取得させない運用を認めると、労働者の休養機会を確保するという制度の目的に反してしまいます。
ただし、例外的に買い取りが許されるケースがあります。
法定日数を超えて企業が独自に付与している有給休暇の分については、労使の合意があれば買い取りが認められることがあります。
また、有給休暇の権利は2年の消滅時効(労働基準法115条 )にかかりますが、時効によって消滅した有給休暇を買い上げることができると考えられています。
さらに、退職時に残った未消化の有給休暇については、企業が任意で買い取ることが可能です。
7.4 パートにも有給休暇を取得させる義務はある?
パートにも有給休暇を取得させる義務はあります。
パート・アルバイトであっても、一定の要件を満たせば有給休暇が発生します。さらに、年10日以上の有給休暇が付与される場合は、「年5日の取得義務」の対象になります。
正社員だけを管理していると、パート・アルバイトの取得義務を見落とすおそれがあります。在籍年数の長いパート・アルバイトについても、付与日数と取得日数を確認しましょう。
7.5 半日や時間単位の有給付与もできる?
半日単位の有給休暇は、法律上明文で定められた制度ではありません。ただし、労働者が希望し、会社が同意する場合には、半日単位で取得させる運用も認められています。実務上は、就業規則で半日単位取得の可否や手続きを定めておくとよいでしょう。
また、企業が時季指定義務を果たす際に「半日」単位の取得を含めることも、労働者の希望がある場合には認められています。
一方、時間単位の有給休暇は、時間単位での取得を認める労使協定を締結した上で、就業規則に規定することで導入できます(年間5日分まで)。
ただし、時間単位で取得した有給休暇は、「年5日の取得義務」の日数にカウントできません。日単位・半日単位の取得とは別に、5日を確保する必要があります。
7.6 有給休暇の取得理由を聞いてもよい?
有給休暇の取得理由を尋ねること自体が、直ちに違法となるわけではありません。ただし、有給休暇の取得の可否判断に用いたり、心理的圧力を与えるような運用は違法と評価される可能性があります。
実務上は、取得理由を問わない運用を明確にしておくと、労働者が有給休暇を取得しやすくなります。就業規則や社内ルールに「理由不問」である旨を明記している企業もあります。
8. まとめ:有給休暇は「制度理解+管理」が重要
有給休暇は、条件を満たした時点で発生する労働者の権利です。正社員だけでなく、パート・アルバイトも要件を満たせば対象になります。
「付与すれば足りる」のではなく「確実に取得させる」へと、企業に求められる対応は拡大しています。年10日以上有給休暇が付与される労働者には、年5日の取得義務があります。
年5日の有給休暇取得義務に違反した場合、30万円以下の罰金の対象となり得ます。違反は対象労働者ごとに成立し得るため、未取得者が複数いる場合には、人数分の違反として扱われる可能性があります。
企業としては、労働者に正しく有給休暇を付与できるよう、労働者ごとの基準日、付与日数、取得日数、残日数を正しく管理することが重要です。特に、パート・アルバイトや有期雇用労働者を管理対象から外さないよう注意しましょう。
よつば総合法律事務所では、有給休暇に関する就業規則の整備や、管理体制の見直しについてのご相談をお受けしています。お気軽にご相談ください。









