内部統制システムとは、会社の不祥事を防止するために体制を整備することです

内部統制システムとは、

  • 粉飾決算
  • 不正取引
  • 違法行為の隠ぺい

といった会社の不祥事を、未然に防ぐために体制整備を図ることです。

会社が行なう業務や役員が執行する職務について管理体制を整えていなければ、上記のような不祥事が起こるリスクを適切に管理することができません。たとえば部門ごとで職掌を分離させることによって、売上の架空計上などが行われるリスクを低くすることができるというようなことです。

もし内部統制システムがなければ、架空計上や不正取引が横行されることになり、リスク管理体制を整備しなかったとして会社が損害賠償責任を負うことになるのです。つまり、従業員や役員による不祥事を防ぎ、損害賠償責任のリスクを軽減し会社の信用を失わないようにすることが、内部統制システムを設置する目的なのです。

内部統制システム設置会社

内部統制システムを設置しなくてもよい株式会社は、以下3つの条件をすべて満たした中小会社となります。

  1. 資本金5億円未満もしくは負債総額が200億円未満である
  2. 監査等委員会非設置会社である
  3. 指名委員会等非設置会社である

内部統制システムは取締役会で決定します

内部統制システムは、取締役会にて決議することになっており(会社法第362条第5項)、代表取締役に委任することができません(同条第4項)。これは、独任で意思決定することを阻止することが目的となっています。

内部統制システムは、会社法と金融商品取引法の2つで定められています

内部統制システムは、「会社法」と「金融商品取引法」の2つの法律によって定められており、それぞれ異なる内容が規定されています。

例えば、会社法の内部統制システムは「業務の適正」を確保することが目的となっている一方で、金融商品取引法では「財務計算の書類やデータの適正」を確保することが目的となっています。

また金融商品取引法では毎年内部統制報告書を有価証券報告書と一緒に内閣総理大臣へ提出する義務がありますが、会社法では株主総会で決議があった場合に株主総会へ提出すればよく、関係省庁へ提出する必要はありません。