会社法では、改正前商法とは異なり、新たに、会社内部の機関として、会計参与という機関を新設しました。会計参与の設置により、以下のようなメリットがあるものと考えられます。

  1. 税理士や公認会計士等の会計の専門家である会計参与が作成した財務諸表等の計算書類は、対外的に高い信頼性を有しており、金融機関による融資の際などに有利に働く。
  2. 大手企業と取引をする際にも、会計参与が作った財務諸表等を提出することによって信頼を得やすくなり、結果的に取引できる確率が上がる。

1. 会計参与とは

会計参与とは、取締役等と共同して計算書類の作成・説明・開示等を行う会社内部の機関であり、税理士・公認会計士等の会計の専門家からなります。設置するかどうかは、基本的に会社の任意であり、強制設置の機関ではありません(ただ、委員会設置会社でない取締役会設置会社で、公開会社でも大会社でもない会社が監査役を置かない場合には、会計参与を置かなければなりません)。

2. 会計参与新設の理由

従来、中小企業における会計監査は主に監査役が担当していましたが、監査役には資格要件がないこともあり、名目的な監査役が設置されているのみの会社が多数存在していました。また、会計監査人という機関による監査の方法もありますが、資格が公認会計士と監査法人に限られており、信頼性は高いもののコストも高いといわれています。このため、中小企業にとって決算書(計算書類)の信頼性の確保が課題とされてきました。

会社法では、新たに会計参与制度が導入され、主に会計監査人が設置されない中小企業において決算書の信頼性の向上を図ることが期待されています。会計参与は、取締役等と同様、株主代表訴訟の対象になることもあり、その責任の重さから会計参与の作成した計算書類には高い信頼性があるものといえます。 

3. 会計参与設置のメリット

会計参与の設置により、以下のようなメリットがあるものと考えられます。

  1. 税理士や公認会計士等の会計の専門家である会計参与が作成した財務諸表等の計算書類は、対外的に高い信頼性を有しており、金融機関による融資の際などに有利に働く。
  2. 大手企業と取引をする際にも、会計参与が作った財務諸表等を提出することによって信頼を得やすくなり、結果的に取引できる確率が上がる。