業種
お困りの問題 ,
担当弁護士

相談前

A社はB社から店舗(飲食店)の事業譲渡を受けました。しかし、譲受け当初から売り上げも少なく、トラブルが頻発しました。B社から説明を受けていた点と相違する点が多く判明したのです。A社としては事業譲渡契約を解除し、代金を回収したいと考えました。

相談後

A社は当事務所に事業譲渡契約の解約交渉(損害賠償請求を含む)を依頼しました。事業譲渡契約の内容を検討しましたが、B社の説明が不十分であったというにとどまり、契約の一方的な解除や損害賠償を求めるのはやや難しいとの結論に至りました。

そこで、B社に対し、本件店舗の事業を買い戻してほしいと交渉しました。その際、B社の説明が不十分であった点等を指摘し、場合によっては訴訟もありうると通告しました。

その結果、B社が本件店舗を譲渡代金とほぼ同額で買い戻すという契約を締結することができました。

結局、事業譲渡契約を解除し、損害賠償請求を行ったのとほぼ同様の結果となりました。

担当弁護士からのコメント

本件のポイントは、事業譲渡契約の解除及び損害賠償請求を売買契約に転換することができたという点です。事業譲渡契約を解除し、損害賠償請求を行うためには、B社に責任があり、契約が解除できることや損害が発生していることを立証しなければなりません。本件においてはそのような事情を完全に立証することがやや困難であると思われました(立証できたとしても裁判に相当の時間がかかる可能性が高いです。)。

そこで、本件では、事業を買い戻してもらうという売買契約をB社と締結することで、仮にその後に裁判になったとしても、解除の事情や損害を立証しなくとも済むようにしました。本件で裁判になっても、事業を買い戻すという契約に基づく売買代金請求になるので、立証が容易になります。

結局、訴訟を提起せずとも支払いがなされましたが、債権回収においては最悪の事態を想定して行動することが重要です。