業種
お困りの問題 ,
担当弁護士

相談前

不動産の仲介をしているA社は、A社が仲介した不動産売買の買主から、説明義務違反を理由に損害賠償請求の裁判を起こされてしまいました。売買の目的物である土地に地中埋設物があることが売買契約締結後に判明したことから、地中埋設物があることを説明するべきだったとして説明義務違反の責任追及をされたのです。

相談後

A社は、買主から裁判を起こされてしまったため、当事務所がA社側の代理人として裁判対応をすることになりました。裁判では、A社は、地中埋設物の存在を知らなかったし、知り得なかったとして、説明義務違反はないと主張しました。 裁判で徹底的に争った結果、相手の請求金額を大幅に減額して和解による解決をすることができました。

担当弁護士からのコメント

説明義務違反の責任を追及された場合、説明をしたかどうかという事実はもちろん大事ですが、まずは説明義務の範囲(どこまで説明義務を負うのか)をしっかりと検討する必要があります。全てのリスクを説明することは不可能ですので、具体的事実関係を把握して、説明義務違反を問われている事項が法的に説明しなければならない事項なのかを考えます。

一般的に、不動産仲介業者が、お客様に対する説明を怠ったとして誠実義務違反、善管注意義務違反等の責任を負うのは、知っている事実または容易に知り得るべき事実で、かつ重要な意義を有する事実の説明を怠った場合に限定されます。

また、不動産仲介業者は、取引の対象となった不動産に関して、宅建業者の専門外の領域にある物件の瑕疵(欠陥)や、容易に知りえない瑕疵についてまで調査する義務は負わないといわれています。対象の不動産にあらゆる瑕疵がないかどうかについて事前に調査することは不可能であるためです。

地中に完全に埋まっている地中埋設物は、掘削して調査でもしないかぎり、表面上は容易に発見することはできません。具体的な事情にもよりますが、一般的には、土地を掘削して地中を調査することは、不動産仲介業者の義務ではありません。

説明義務違反に基づく損害賠償請求事件では、説明義務違反が認められた場合に、その損害額が問題になることがあります。説明義務違反があったことによりどのような損害が生じたのか、生じた損害のうちどこまで賠償義務を負うことになるのかが争いになります。損害額の範囲については、具体的事案によって争いになるところですので、しっかりと検討するようにしましょう。