業種 | 建設業・建築関係 |
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お困りの問題 | 債権回収 |
担当弁護士 | - |
相談前
A社は、取引先から依頼された仕事を完了させました。そこで代金を請求したところ、色々と理由をつけられて代金の支払いを拒否されてしまいました。 金額が大きかったため、経営にとっても重大な影響がありましたが、話し合いを試みてもらちが明かず困ってしまいました。
相談後
弁護士受任後、支払を求める弁護士名義の通知書を送付し、まずは交渉を試みました。 しかしながら、とても話し合いが出来るような状況ではなく、話が平行線のままであったため、速やかに訴訟を起こしました。 訴訟では、証人尋問まで行い、最終的に解決まで1年ちょっとの時間を要しましたが、最終的に裁判にも勝訴し、無事全額の代金が支払われました。
担当弁護士からのコメント
中小企業の場合、きちんと書類を作らなかったり、条件が曖昧なまま話を進めてしまうことがあるため、ちょっとしたボタンの掛け違いや不注意から本件のような重大なトラブルに発展することがあります。そのため、普段から契約書をきちんと作成する習慣をつけることが重要です。現実的に全部の仕事についてそのような対応をすることが難しければ、仕事毎にある程度優先度を分けて、特に重要なものや取引額が大きいものから優先的にそのような対応をしていくというのもひとつの方法です。
こちらからみれば明らかに不当な理由と思われても、裁判で相手方が抵抗すれば1年程度の期間はすぐに経ってしまいます。その意味で日本の裁判はすごく時間がかかります。その間に本来支払われるべきお金が入ってこないことの経営への影響は計り知れません。また、裁判にかかる時間や費用のコスト、精神的な負担も馬鹿になりません。したがって、そもそも裁判にならないため、そして万が一裁判になったときにスムーズにこちら側の主張を認めてもらうためにも、契約書等の書類作成や記録をきちんしておくことは重要です。
事件解決後に、今回のような問題がどうして起きたのかをきちんと検証することも重要です。実際にその事件の解決を依頼した弁護士と一緒にこの点を検証するのがお勧めです。本件についても、裁判終了後に今後同様の問題が起きないように注意すべき点を弁護士とA社で検討したため、今後同様のトラブルが起きる可能性は減少しているはずです。
(文責:弁護士 三井伸容)