業種
お困りの問題 , ,
担当弁護士

最終更新日:2018年6月2日

相談前

建設業を営むA社は、会社が所有する不動産を代表取締役に売却することにより、会社経営の資金を取得しようとしました。しかし、A社では売買に反対をする少数株主が存在し、トラブルになる確率が非常に高い状況でした。

相談後

顧問会社からのご相談でしたので、事前に不動産の時価に関する査定書を取得し、また、経営のための資金が必要な理由を事前にまとめました。

その上で、取締役会設置会社でしたので取締役会での承認を得ました。その後、少数株主から苦情が出て裁判にまで発展しましたが、最終的には時価が相当であること、経営のために資金が必要であることが裁判所にも認められ、無事会社が勝訴することができました。

担当弁護士からのコメント

取締役による会社との利益相反取引とは、取締役が会社の利益を犠牲にして取締役個人などの利益を図るような取引です。利益相反取引の場合、取締役非設置会社の場合には株主総会、取締役会設置会社の場合には取締役会の承認が必要となります。

不動産の売買など、客観的な時価を即座に判定できない財産の譲渡の場合、譲渡前に専門家(不動産鑑定士、不動産会社など)の査定書を取得しておくことが重要です。また、会社と取締役の取引の場合には、「なぜそのような取引が必要なのか」という点も裁判などの場合には勝敗を決定する1つの要素となる場合があります。そのため、事前の準備を万全にしておくことが重要です。

株主全員が同意している場合、取締役の会社に対する無利息・無担保での貸付の場合、取締役から会社に対する金品の贈与の場合、取締役から会社に対する債務の免除の場合などは株主総会決議・取締役会決議は不要と考えられています。このような場合には、会社にとって不利益とならず、また、株主にとってもマイナスとならないからです。

取締役会・株主総会の承認のない利益相反取引の場合、会社は取締役に対して損害賠償請求が可能です。また、承認があったとしても、会社が損害を受けた場合には、会社は取締役に対して損害賠償請求が可能です。

「利益相反取引」に該当するかどうかは過去の裁判例を元にした様々な事例があります。会社と取締役との間の取引をする場合には、あとで損害賠償請求などのトラブルにならないように慎重に専門家に相談をしながら手続きを進めていく必要があります。

監修者
よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎

代表弁護士。人事労務、契約書作成やチェック、債権回収、会社関係訴訟などを多く取り扱っています。スピードを重視しつつ、法律のプロとして皆様の具体的な行動をアドバイスすることをモットーとしています。千葉県弁護士会所属(登録番号29869)。

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