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担当弁護士

最終更新日:2023年8月21日

ご相談に至った経緯/ご相談の概要

お知り合いの社会保険労務士の先生より、労災問題でお困りの建設業の企業様をご紹介いただきました。

事情をお伺いしたところ、「2年前に発生した労災事故に関し、労働者が弁護士に依頼をして、損害賠償請求の訴訟を提起してきた」状況でした。

会社としても、労働災害で裁判になったのは初めてであり、どのように対応して良いかもわからず、弁護士に対応を依頼したいというのが希望でした。

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解決までの流れ

初回相談後、すぐに契約となり、当事務所に対応をご依頼いただけることとなりました。

また、会社の労務管理に課題を感じられていたことから、労災訴訟の対応だけでなく、平素の労務管理を含めて、別途顧問契約もご依頼いただきました。

約1年半の裁判を経て、最終的には労働者との間で裁判上の和解が成立し、無事に解決することができました。

解決内容・成果

労働者の請求額から大幅に減額した金額(約6分の1)にて和解することができました。

担当弁護士のコメント

今回、大きな成果を挙げることができたことの要因としては、労災関係資料を細かく分析し、会社に有利な、説得的な主張を展開することができたからと考えております。

今回の事案は、労災の発生そのものや、会社の責任自体を争うことは難しい事案でした。

そのため、「どこまで賠償額を減らすことができるか(適正な金額に下げることができるか)」が一番重要となります。

賠償額の妥当性を検討する上ではいくつかポイントがありますが、特に今回重要だったのは、①治療期間の相当性、②後遺障害の内容(既存障害を含む)、③労働者の過失の3点でした。

①②については、医療記録の細かい分析が必要となりますし、その前提として、ある程度の医学的知見も必要となります。

この事案では、労働基準監督署から取り付けた医療記録(カルテ・1000枚以上ありました)を全て分析するところからスタートしました。

その結果、労災事故以前にも、労働者が同種の障害を抱えていることが伺われたため、特に②に関し、「本件事故前から労働者は障害を抱えていたため、後遺障害の賠償額は相応に減額されるべき」との主張を展開しました。最終的には、会社側の主張を前提とした金額にて、後遺障害の賠償額が算定されました。

当事務所では、企業様の案件だけでなく、交通事故案件も多く取り扱っております。

交通事故案件では、後遺障害の検討などを行う上で、医学的な知見が非常に重要ですので、当事務所では、関係性のあるドクターに勉強会を開催いただく、個別事案につき専門医に相談するなど、医学的知見の習得・研鑽に務めております。

この交通事故分野での経験が、今回の成果に大きく結びついたものと考えております。

③については、過去の裁判例も踏まえた上で、労働者の行った行為自体の危険性や、会社として行っていた教育・啓発活動を説得的に主張できるかがポイントとなります。

こちらも、労働基準監督署から取り付けた、労災に関する資料一式を分析して、会社側の主張を説得的に組み立てた結果、一定程度、労働者に過失があることを前提に、賠償額の算定が行われました。

今回は、労働者から訴訟を提起された段階でのご相談でしたが、労災事件は、会社側の初動対応が、最終的な解決を大きく左右することがあります。

そのため、労災事故が発生してしまった際は、できるだけ早く、一度弁護士に相談されることをお勧めしております。

どんなに注意しても、労災事故は起こり得ます。可能な限り労災事故の発生を防止するのが一番重要ですが、万が一労災事故が発生してしまった場合には、適切な初動対応・賠償対応を行い、会社のダメージを最小限度に留める必要があります(いわゆる「労災上乗せ保険」の加入も非常に重要です。)。

労災事故の対応でお困りの企業様は、よつば総合法律事務所までお気軽にお問合せください。

文責:弁護士 村岡つばさ

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注:事案の本質を損なわない範囲で一部事案内容を変更している場合があります。