業種 | 不動産業 |
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お困りの問題 | 不動産 |
担当弁護士 | 辻 悠祐 弁護士 |
相談前
東京都で不動産業を営むX社は、X社が所有するA土地を売却しようとしていましたが、A土地の隣地であるB土地の所有者の所在が不明でした。
A土地を売却するにあたり、確定測量をして境界線を明確にする必要がありましたが、B土地の所有者が行方不明であったことから、確定測量ができずに、A土地を売却できない状態が続いていました。
X社は、A土地をなるべく早く売却したいという意向があり、時間をかけず、かつ、何かいい方法はないかというご相談でした。
相談後
相談に来られた時点で、X社は、B土地所有者の所在をかなり調査されていましたが、発見できませんでした。
私は、登記簿や戸籍関係を調査して隣地所有者の所在が明らかにならない場合は、不在者財産管理人の選任を申し立てて、B土地所有者の代わりに確定測量に立ち会ってもらうことにしました。
まず、登記簿を確認して隣地者の住所を確認しました。その後、その住所地に住民票や戸籍の附票等が存在するか確認しましたが、存在していませんでした。
そこで、不在者財産管理人の選任申立ての準備を行いました。これまでの調査の結果及び周辺住民に聴き取りを行った結果などを踏まえて、調査報告書を作成し、申立てを行いました。申立てから、1〜2ヶ月程度経って裁判所から連絡があり無事に不在者財産管理人が選任されたとのことでした。
その後、不在者財産管理人と電話で打ち合わせを行い、無事に確定測量を行い、境界線を確定することができました。その後、A土地は売却することができたそうです。
弁護士からのアドバイス
境界線を明確にするために行われる確定測量では、隣地所有者の方の立会い及び署名押印が求められるため、隣地者の所在が不明の場合、確定測量をして境界線を明確にすることは困難かと思います。
また、登記簿に記載されている住所地に隣地者が居住しているとも限りません。隣地者が既にお亡くなりになられている可能性もあります。登記簿の情報をもとに、近隣住民に聞き取りを行う方法もあります。
それらの方法によっても、隣地者の所在が不明の場合は、一度ご相談いただければと思います。