業種
お困りの問題
担当弁護士

相談前

美容業を営む株式会社の代表者だった方が亡くなり、死亡後はその配偶者の方が代表取締役に就任して経営していましたが、利益が上がらず、やがて休眠状態にしました。

その株式会社には金融機関からの借入れがあり、配偶者の方もその連帯保証人となっていました。

その金融機関からの借入れについて保証会社が保証債務を履行(代位弁済)した後は、配偶者の方が保証会社に対し、保証会社が指示してきた金額を、毎月、個人として支払っていました。

そうしたところ、保証会社が配偶者名義の不動産の仮差押えをしてきたため、弁護士に相談されました。

相談後

弁護士は、まず、株式会社の資産及び配偶者個人の方の資産を調査し、それらの資産を全て換価しても、保証会社への債務を全て弁済することは不可能であることを確認しました。

一方、株式会社名義の不動産には一部保証会社のための抵当権が設定されていたことから、まずこれについて保証会社が競売(担保権実行)の申立てを行う一方、任意売却を試みることとしました。

任意売却できた不動産と任意売却できなかった不動産がありましたが、任意売却できなかった不動産についても、買受けの申出をする人が現れ、換価できました。

これらの売却実績を踏まえ、保証会社に対し、配偶者名義の全ての不動産の売却を試みたときに見込まれる売却代金を弁済する一方、残債務の免除を受けることで解決することを提案しました。

保証会社との間で金額の交渉を経て、一部を弁済し、残債務の免除を受ける内容で合意を成立させることとなりました。株式会社も配偶者の方も破産手続をせずに済みました。

担当弁護士からのコメント

  • 株式会社と配偶者の方が破産したとき、保証会社は、株式会社が保有している資産を換価して得られた金額と配偶者の方が保有している資産を換価して得られた金額の合計額以下の弁済を受けることができるにとどまります。
    本件では、一部の不動産の売却を先行することにより、残りの不動産の売却を行ったときに得られる売却代金に関してある程度説得力をもつ見通しを提示できたことが、保証会社との協議に役立ちました。
  • 保証会社との協議の結果、配偶者の方は、保有する不動産を失わずに済みました(当然仮差押えは取り下げられました。)。協力するご家族の存在が、このような解決を可能にしました。