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担当弁護士

最終更新日:2023年11月6日

ご相談に至る経緯

店舗を有するA社では、現場でときどき顧客からのクレームが発生しました。

しかし適切にクレーム対応ができる社員があまりおらず、以下の問題が度々発生していました。

  1. 現場の担当社員で適切なクレーム対応ができず、クレームが大ごとになる。
  2. 現場の担当社員が上層部に報告すべきクレームを自分で抱えこんでしまい、クレームが悪化したり、社員が疲弊したりしてしまう。
  3. 上記の問題を防止するため、会社の上層部が頻繁に店舗巡回や現場クレーム対応を強いられる。

A社の事業は拡大しており、店舗数、従業員数も増えてきていました。

その中で従来のように会社の社長や役員がメインでクレーム対応をすることにも限界があります。

困ったA社は顧問弁護士のよつば総合法律事務所に相談しました。

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解決までの流れ

A社では弁護士と共同して以下の対応を行いました。

  1. まずは基礎知識が必要ということで、弁護士から現場の担当社員へ、クレーム対応の一般的な注意点を説明してもらいました。
  2. 弁護士のアドバイス内容を踏まえ、A社内では簡単なクレーム対応基準を作成しました。そこまで複雑なものではなく、クレームの内容、金額事に誰が対応するか、報告先や報告事項をどうするかを明確化したものです。可能であれば対応マニュアルの作成もおすすめです。
  3. 実際にクレームが発生した場合の相談先として顧問弁護士への相談窓口の設置

結果・成果

以下の効果がありました。

  1. 比較的リスクの低い典型的なクレームへの対応は、店舗社員だけで行えるようになりました。初動対応を誤ってトラブルが大きくなることも減りました。
  2. クレームの重大性・緊急性毎に適切な報告が上がりやすくなりました。
  3. 店舗の現場担当社員は顧問弁護士へ気軽に相談することができ、安心してクレーム対応ができるようになりました。
  4. クレームが発生する都度、社長や役員が現場の対応に駆り出されることが減りました。結果として会社上層部は他の優先すべき業務により時間が割けるようになりました。

担当弁護士からのコメント

会社が小規模の場合は都度社長や役員がクレーム対応をすることも可能です。

しかし、規模が大きくなってくるとそのような対応も難しくなってきます。

無理をして同じ体制を続けると、会社上層部への負担が過大になります。結局そこまで手が回らずかえってトラブルを大きくしてしまうおそれもあるでしょう。

会社がある程度の規模になった場合は、現場の担当社員でも一般的なクレーム対応ができるような体制づくりを考えねばなりません。

クレーム対応のルール作りが重要

一見すると何でもないようなクレームでもトラブルが大きくなることはあります。

そのためクレームを現場で見極めて、適切な報告を上げてもらう必要もあります。

しかし、クレーム対応の基礎知識がなく、クレーム報告に関する基本的な社内ルールも全くない状況では対応困難です。

特にルールは重要です。ルールがないと報告を上げる社員側でも判断に悩みます。

だからといって些細なクレームでも都度細かく報告をしてもらって時間を割くのも会社としてはマイナスです。

簡単なものでよいのでルールは作成しておくのがおすすめです。

クレーム対応で疲弊しない体制作り

クレーム対応は精神的な負担も重いのでサポート体制も重要です。

都度、会社上層部がサポートできれば良いのですが、そうはいかない場合に顧問弁護士を活用する方法があります。

たとえば、本件のように担当社員から弁護士に直接相談ができる体制を作ることも有効です。担当者の方の相談のハードルを低くし、またスピーディな対応も可能になります。

弁護士が都度サポートすることには副次的な効果もあります。

対応事例が社内に蓄積しますので、それをうまく整理すればノウハウになります。そのノウハウは、今後同種の問題が起きた際に有効であり、だんだんと会社だけで対応ができるようになってきます。

弁護士が全面にでるかどうかは慎重に検討

なお、クレーム対応とはいえ、あくまでも相手は顧客ですので、弁護士が表に出るタイミングは慎重な判断が必要です。

弁護士が出ることについて「自分が悪質なクレーマー認定されている」と顧客側に変な受け止められ方をしてしまうと、かえって感情的にこじれることもあります。

顧客側も弁護士に相談に行ってしまい、双方弁護士を交えて法的な紛争になってしまうおそれもあるでしょう。

本件のように弁護士が間接的にサポートする体制は、弁護士が表に出るタイミングを調整しやすい点でも有効です。

悩んだらまずは詳しい弁護士に相談

よつば総合法律事務所では、個別のクレーム対応事案のご相談・ご依頼だけではなく、上記のような社内体制整備のご相談・ご依頼も可能です。

個別の案件の背後に社内体制側の問題が潜んで場合は弁護士から社内体制の整備をご提案させていただく場合もございます。お気軽にお問い合わせください。

監修者:弁護士 三井伸容

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注:事案の本質を損なわない範囲で一部事案内容を変更している場合があります。