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お困りの問題 , ,
担当弁護士 -

相談前

建設業を営むA社は,数名で一緒に創業した会社です。その後,創業者メンバーの間で争いとなり,15%の株を有する株主が会社を退職し,同業の新会社を設立しました。そして,A社の株主であることを理由として会計帳簿の閲覧謄写請求をしてきました

相談後

弁護士に相談をしたところ,同業他社の代表取締役からの請求のため,閲覧謄写を拒絶することも可能であるとのアドバイスを受けました。A社の社長としては,会社の情報が同業他社に漏れることは絶対に避けたいと考えていました。そのため,同業他社であることを理由として,会計帳簿の閲覧謄写を拒否しました。

会計帳簿の閲覧謄写を拒否したところ,少数株主から会計帳簿の閲覧謄写を求める裁判を起こされました。裁判で争った結果,少数株主が,「会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み,又はこれに従事するものであるとき」に該当するとの判断がされ,少数株主の請求は棄却となりました。結果として,会計帳簿の閲覧謄写の請求を100%拒むことができました。

担当弁護士からのコメント

  • 「会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み,又はこれに従事するものであるとき」に該当するときは,会社は会計帳簿の閲覧謄写請求を拒むことができます。条件に当たるかどうかは会社が主張・立証する必要があると考えられていますので,会社側で積極的に証拠を提出して争うことが必要です。
  • 会計帳簿の閲覧謄写請求は,楽天がTBSに対して請求をした事件が非常に有名です。一般には,中小企業の株主間紛争の際などに請求を巡る争いが発生することが多いですが,大きい会社であっても請求される可能性はありますので,請求が届いた場合には丁寧な対応が会社としては必要です。
  • 会計帳簿の閲覧謄写請求を拒絶できる場合は他にも法律で定められています。例えば,例えば,「株主が権利の確保あるいは調査目的以外で請求を行っているとき」,「会社の業務を妨げ,株主の共同の利益を害する目的があるとき」,「知りえた事実を,利益を得て第三者に通報するために請求したとき」,「過去2年以内において閲覧請求で知りえた事実を利益を得て第三者に通報したことがあるとき」などです。
  • 会計帳簿の閲覧謄写請求を会社がされた場合,他の少数株主としての権利に基づく請求がされることも多いです。そのため,会計帳簿の閲覧謄写請求がされた段階で,今後の紛争全体の解決についてどのような方向性で進めるべきかを検討した方がよいかもしれません。