目次
1. はじめに
はま寿司を舞台に迷惑動画がアップされて大炎上したというニュースが最近話題になっています。
また、はま寿司だけではなく、くら寿司でも同様に迷惑動画の問題についてのニュースが取り上げられています。
スシローでも、湯飲みや醤油のボトルの注ぎ口をなめる様子などの迷惑動画をアップして、迷惑行為をした少年と撮影者ら数人が偽計業務妨害の疑いで書類送検する方針というニュースが取り上げられています。
このような迷惑動画が挙げられた場合に企業としてはどのように対応するべきなのか、また、SNSでよく投稿をされる方が注意すべき点を説明したいと思います。
2. 迷惑動画でやっている内容は、迷惑で済まされないレベルのものがあること
今回の騒動は、いずれも迷惑やいたずらで済まされないレベルのものです。
- 誰かが発注したお寿司に大量にわさびを乗せる、食べるつもりがないのに回ってくるお寿司に唾液をつけるという行為は、刑法の器物損壊罪にあたりうる行為です。
- また、それらの迷惑行為を撮影してSNSにアップする行為は、偽計業務妨害罪にあたりうる行為です。
3. 企業としての対応
(1) 内部の従業員がSNSに投稿した内容で炎上した場合
企業としては以下のような対応が考えられます。
・事実確認
炎上してしまった場合は、早期に事実確認を行うことが重要です。
SNSのどの媒体なのか、どの店舗なのか、だれが投稿しているのか、いつ投稿したものなのか、会社として問題がある行為なのか、コメントの数及び内容など基本的な事実関係を早期に把握することが重要です。
問題がある内容なのであれば、会社としては早期に謝罪対応を検討するべきです。
・謝罪文案の作成
・弁護士への相談
謝罪文案の内容によっては再度炎上するリスクもあるので、謝罪文案を作成された場合は一度弁護士に相談されるのがよいかと思います。
弁護士には、投稿の削除や発信者特定の問題についても相談しましょう。
・謝罪文の公表
・今後の予防策の検討
一度炎上したSNSの投稿はすべてを削除することはできませんし、批判的な投稿ばかりを削除の対象として法的措置をとることで二次炎上の可能性もあります。
そのため、今後同じような問題が起こりにくい体制の構築と会社の信用を回復するための措置を検討するべきです。
(2) お客さんがSNSに投稿した内容で炎上した場合
企業としては以下のような対応が考えられます。
・事実確認
こちらも早期に事実確認を行うことが重要です。会社側に非がないのかも確認しましょう。
事実確認をしたうえで、会社としてどこまでの措置を行うのか検討することも重要です。この場合、会社の社会的な信用に与える影響の程度を十分考慮する必要があります。
・法的措置の検討
SNSの投稿だけでは発信者を特定できない場合は、弁護士に相談して発信者を特定するための手続きをしましょう。
また、投稿が残っている場合には削除ができないのかを弁護士に相談することをおすすめします。
・警察に被害届の提出
・投稿者に対して損害賠償請求の検討
4. SNSでよく投稿される方が注意すべき点
安易な気持ちで迷惑動画を撮影し、SNSにアップして、実はそれが迷惑では済まないレベルであることは十分にあり得ます。
今回の回転ずしチェーンの一連の騒動も、投稿者は重大性を理解していなかったと思います。
一度SNSに投稿した内容は拡散されて、自分では収拾がつかなくなるケースが多いので、問題がない投稿かを慎重に考える時間を持つのが重要です。
参考記事
5. 企業として対策すべき点
企業としては、少なくとも従業員が問題のある投稿をしないようにしっかり指導教育する必要があります。
また、問題が発生してしまった場合の対応手順を事前にまとめておくことも有効です。
お困りの際はぜひ弁護士にご相談ください。
※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。