著作権法改正、インターネットにおける海賊版対策の強化

1. はじめに

近年のインターネットにおける進化は目覚ましく、それに伴い、著作権侵害の事例も増加してきています。

そのような社会情勢の変化に対応すべく、著作権法もインターネット上における海賊版対策を強化しています。

2. 令和2年の著作権法改正の概要

文化庁のHPに記載のとおり、「①リーチサイト対策及び写り込みに係る権利制限規定の対象範囲の拡大など著作物利用の円滑化を図るための措置については、令和2年10月1日から、②侵害コンテンツのダウンロード違法化及びアクセスコントロールに関する保護の強化など著作権の適切な保護を図るための措置については、令和3年1月1日から、③プログラム登録に関する新たな証明制度の創設については、公布から1年以内で政令で定める日から施行」されることになりました。

本記事では、令和3年1月1日に施行されたインターネットにおける海賊版対策の部分を簡単に紹介させていただきたいと思います。

令和2年通常国会 著作権法改正について

3. これまでの著作権法

これまでの著作権法では、下記のとおり、録画や録音が違法にアップロードされたことを知りながらダウンロードすることは規制の対象でしたが、それ以外の著作物(漫画・書籍・論文など)のダウンロードの場合は規制の対象から外れていました。

(私的使用のための複製)

第30条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

1・2号 略

3 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画(以下この号及び次項において「特定侵害録音録画」という。)を、特定侵害録音録画であることを知りながら行う場合

4. 改正後の著作権法

改正後の著作権法では、下記のとおり、著作権法30条1項に4号が追加されて、録画や録音以外の著作物についても、一定の要件の下で、違法にアップロードされた著作物をダウンロードすることが規制の対象となりました。これにより、従前対象とされていた映像・音楽だけでなく、漫画、小説、論文、写真、新聞、イラスト、コンピュータソフト等、全ての「著作物」が規制の対象となります。

四 著作権(第二十八条に規定する権利(翻訳以外の方法により創作された二次的著作物に係るものに限る。)を除く。以下この号において同じ。)を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の複製(録音及び録画を除く。以下この号において同じ。)(当該著作権に係る著作物のうち当該複製がされる部分の占める割合、当該部分が自動公衆送信される際の表示の精度その他の要素に照らし軽微なものを除く。以下この号及び次項において「特定侵害複製」という。)を、特定侵害複製であることを知りながら行う場合(当該著作物の種類及び用途並びに当該特定侵害複製の態様に照らし著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合を除く。)

5. 違法ダウンロードをしてしまった場合

民事上の問題として、著作権者より損害賠償請求や差止請求を受ける可能性があります。

また、違法にアップロードされた著作物であることを知りながら、継続的(又は反復して)に当該著作物をダウンロードしたような場合において、著作権者が告訴をした場合には、刑事罰(2年以下の懲役か200万円以下の罰金/併科される可能性もあり)を受ける可能性がありますので、注意が必要です。

6. おわりに

その他にも著作権法が規制強化された点はありますが、今回は、違法にアップロードされた著作物をダウンロードする場合の規制強化の点を紹介させていただきました。

インターネットで著作物をダウンロードする際は、違法にアップロードされたものではないか慎重に判断したいですね。

なお、海賊版対策の強化については、文化庁のリーフレットがシンプルで分かりやすいため、併せてご参照ください。

ちょっと待って!そのダウンロード違法かも?

以上

文責:弁護士 辻悠祐

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。