はじめに
先日、LegalForce様より、当事務所の契約書レビューの取り組みにつき、インタビューを受けました(インタビュー記事はこちらから)。
当事務所では、クライアントの皆様に、迅速かつ質の高いリーガルサービスを提供できるよう、契約書のレビューにおいて、AI(リーガルテック)を活用しております。
今回は、当事務所の契約書レビューの取り組みとして、AIをどのように活用しているかをお話させていただきます。
1. LegalForceとは?
当事務所は、株式会社LegalForce様の提供している契約書レビューのサービス(AI)を利用しております。
レビュー対象となる契約書を取り込むと、AIがその契約書の問題点・修正すべきポイントなどを自動でレビューしてくれる優れものです。
全ての契約書に対応しているわけではありませんが、幅広い契約類型に対応しています。また、対象類型でない契約書であっても、ひな型との比較が自動的に行えるため、契約書のリスクの洗い出しに非常に役立ちます。
2. 契約書レビューの難しさ
契約書のレビューは、顧問業務の中でも重要な業務です。
当事務所でも、多くの企業様と顧問契約を締結しており、様々な種類の契約書のレビュー依頼がございますが、中には、レビューにかけられる時間が1日もないこともあり、迅速な対応が必要なこともあります。
契約書のレビュー時に一番気を使うのは、「重要な事項の抜け落ち」「リスクの見落とし」です。
複数のひな型との対象や、書籍のチェックを行い、慎重にレビューを行うため、どうしても時間がかかりますし、どんなに時間をかけても、ヒューマンエラーによる見落としの可能性を完全に排除することはできません。
3. AIを活用して感じたメリット
「契約書に内在するリスクの洗い出しを迅速かつ網羅的に行うことができる」という点が、一番のメリットだと思います。
生の契約書を振るいにかけ、リスクを洗い出すようなイメージです。もちろん、AIによるレビューで上がってきた契約書を、そのままお客様に出すことはしません。
複数のひな型との対象や書籍のチェックを慎重に行うことに変わりはありませんが、AIによるチェック⇒弁護士(人間)によるチェックという2段階のプロセスを経るため、レビューにかかる時間は大幅に短縮されましたし、従前よりも質・精度の高いレビューを行えているという実感があります。
4. AIと弁護士業務のこれから
今や多くの領域で大活躍しているAIですが、弁護士業においても例外ではありません。
特に、今回ブログで記載したように、契約書のレビュー業務については、今後さらなる発展が見込まれる分野だと思います。
もっとも、契約書のレビュー業務は、単なるリスクの洗い出しのみにとどまりません。
実際に契約書の条項をどのように作成・変更すべきかは、個々の契約の背景事情等により大きく異なるため、この部分はまさに「弁護士」でなければできない作業です。
AIにより業務効率を図ることで、弁護士が、「まさに弁護士でなければできない仕事」に集中できれば、より迅速に、質の高いリーガルサービスを提供できると思います。
今後のリーガルテックの発展を非常に期待しています。
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※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。