持続化給付金はまだ申請ができます。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除されましたが、まだまだ予断を許さない状況が続いています。
中小企業の方々におかれましては、緊急事態宣言により事業に大きな影響を受けられた方もいらっしゃるかと思います。
政府は、特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業全般に広く使える給付金(持続化給付金)を支給しています。
もうすでに受け取られている方もいらっしゃるかと思いますが、まだまだ申請期間は残されていますので、持続化給付金の申請期間や対象者、申請方法について、おさらいしておきましょう。
1. 申請期間 令和3年1月15日(金)まで
給付金の申請期間は令和2年5月1日(金)から令和3年1月15日(金)までとなります。
電子申請の送信完了の締め切りが、令和3年1月15日(金)の24時までとなっているので、まだ申請は間に合います。
2. 給付対象の主な要件 前年同月比で50%以上売上が減少
中小法人の給付対象者となる要件は、下のとおりです。
①前年同月比で事業収入が50%以上減少した月が存在すること
2020年1月から申請する月の前月までの間で、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月がある事業者が対象です。
対象月は、2020年1月から申請する月の前月までの間で、好きな月を選ぶことができます。
例えば、2020年5月の売上の減少が著しい事業者の方であれば、前年の同じ月、すなわち2019年5月の売上と比較して、事業収入が50%以上減少していれば、対象となってきます。
②2019年以前から事業収入がある事業者
2019年以前から事業による事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者が対象となります。
事業収入は、確定申告書別表一における「売上金額」欄に記載されるものと同様の考え方によるものとしています。
③資本金10億円未満または資本金の額が定められていない場合従業員が2000人以下
2020年4月1日時点において、次のいずれかを満たすことが必要です。
- 資本金の額または出資の総額が10億円未満であること。
- 資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2000人以下であること
※「常時使用する従業員」は、労働基準法20条の規定に基づく「あらかじめ解雇の予告を必要とする者」を指します。パートやアルバイトであっても、ここで言う「常時使用する従業員」になり得ますので、不安な方は専門家に確認されるとよいでしょう。他方、会社役員及び個人事業者はあらかじめ解雇の予告を必要とする者に該当しないため、「常時使用する従業員」には該当しません。
また、以下のいずれかに該当する場合も、給付対象外となります。
- 国、法人税法別表第一に規定する公共法人(国立大学や地方公共団体などです。)
(e-Govウェブサイト「法人税法」(令和2年6月19日に利用)) - 性風俗関連特殊営業、当該営業にかかる接客業務受託営業を行う事業者
- 政治団体
- 宗教上の組織、団体
- その他、給付金の趣旨
- 目的から適当でないと中小企業庁長官が判断する者
3. 給付額 中小法人は上限200万円
持続化給付金の給付額は、中小法人等の場合、最大で200万円です。
※ただし、昨年1年間の売上からの減少分を上限としますので、一律に200万円が支給されるわけではありません。
【売上減少分の計算方法】
前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上×12カ月)
例えば、下のような事業者がいたとします。
- 2019年総売上:4,900万円
- 2019年5月売上:800万円
- 2020年5月売上
- 400万円
対象月を5月にした場合、2019年5月の売上が800万円であるのに対し、2020年5月の売上は400万円ですので、売上が50%以上減少しています。持続化給付金の対象事業になってきます。
そして、対象月とした月の売上400万円×12カ月=4,800万円となり、前年の総売上4,900万円との差額は、100万円となります。この場合には、持続化給付金の支給額は100万円となります。
4. 申請方法 Web上での電子申請
Web上での電子申請を基本としています。
中小企業庁持続化給付金事務事業HPの一番下のオレンジの「▶申請する」をクリックして申請します。
5. 申請に必要な書類
法人の場合、下の証拠書類をデータ化したうえで、添付する必要があります。
スキャンしたデータだけでなく、デジタルカメラやスマホで撮影した写真でも提出できます(ただし、細かな文字まで読み取れるようきれいな写真である必要があります。)。
- 確定申告書
確定申告書別表一の控え(1枚)+法人事業概況説明書の控え(2枚) - 2020年分の対象とする月の売上台帳等
- 給付金の振込を受ける会社名義の通帳写し
資料のデータ化ができれば、申請は案外簡単にできます。新型コロナの影響により売上が減少した中小企業の方々におかれましては、まだ期限がございますので、申請することをお勧めします。
また、新型コロナウイルス関連の労働問題については、当事務所でも取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。