建設業における外国人労働者

1.相変わらずの人手不足

どの業界でも人手不足というのは共通のキーワードのようです。そこで、外国人を雇用する企業が増えてきております。特に、人手不足が問題となっているのが、建設業界です。

2.在留資格は?

さて、建設業の企業が外国人を雇用する場合、大きな問題となるのは在留資格です。身分・地位に基づく在留資格(永住者等)以外の在留資格で、建設業で働こうとすると、在留資格はかなり限られてしまいます。

多くの建設業の企業は、技能実習を在留資格とする外国人を雇っているところが多いです。いわゆる技能実習生というものが、それです。

しかし、技能実習の在留期間は最長でも5年であることや、家族を滞在させにくい等、長期雇用を検討している企業にとっては、不向きとの意見もあります。また、特定技能についても業務が限られており、特定技能の対象外となってしまう企業も多くあります。

これらについては今後、要件が緩和され、建設業界の人手不足が解消されることが望まれます。

3.技能実習の意外な落とし穴

その技能実習ですが、意外な落とし穴がいくつかあります。意外と多いのが監理団体とのトラブルです。監理団体(いわゆる管理組合)との間で、手数料や解約などを巡ってトラブルになることがあります。

監理団体と何らかの合意を締結する場合には、顧問弁護士などのリーガルチェックを受けてもらうことをお勧めします。

4.外国人を雇用しようとしている企業へ

外国人を雇用したとしても、原則として適用される法律は日本人との差はほとんどありません。労働基準法3条も、労働者の国籍を理由とする差別を禁止しています。当たり前ですが、不当な差別はしてはいけません。外国人が日本を選ばない可能性も出てくるので、労務管理は適切に行ってください。

そして、技能実習や特定技能については、外国人労働者のほかにも第三者機関が関与し、様々な費用が発生するため、外国人を採用としている企業は、今後の方針含めて専門家に相談しつつ、計画を進めていくことをお勧めします。

失敗しない外国人雇用の第一ステップは、信頼できる専門家を見つけることです。信頼できる専門家と出会い、企業の人手不足が解消され、トラブルもなくなることが望まれます。

監修者:弁護士 大澤一郎

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※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。