大手芸能事務所に対する是正勧告1

先日、複数の大手芸能事務所に対し、長時間残業や不十分な割増賃金支給を理由に、労働基準監督署が是正勧告を行っていたことが報道されました。

芸能事務所というと、いかにも勤務時間が長そうなイメージがあり、徹夜が当たり前で働く環境という業界かと思います。しかしながら働き方改革が叫ばれる中、芸能事務所であっても例外ではないという時代になってきたということかと思います。

今回は、労働基準監督署が行った是正勧告について確認をしていきたいと思います。

1.そもそも是正勧告とは

そもそも労働基準監督署が行う是正勧告とは、いかなるものなのでしょうか?

是正勧告とは、労働基準監督署の監督官が臨検などを行った結果、労働基準法等の法令違反を確認した場合に、企業に対して是正を促すために行う勧告です。

具体的な違反事項と根拠条文、是正期日が明記された是正勧告書が交付されます。是正勧告を受け取った場合、期日までに是正報告書を提出して具体的な改善状況について報告しなければなりません。

2.是正勧告に従わなかった場合どうなるか

では労働基準監督署からの是正勧告に従わなかった場合、どうなるのでしょうか?

是正勧告は、法的には行政指導という区分にあたるため強制力はありません。

しかしながら、是正勧告においては法令違反が具体的に指摘されます。法令違反の指摘を受けたにもかかわらず、法令違反を是正しないことを繰り返す場合、送検手続き(いわゆる検察庁への書類送検)が行われてしまう可能性があります。そうなると、労働基準法等に規定された罰則が適用される可能性があります。

また、是正勧告を受けたという事実自体が、企業の評判を落とすことにもつながってしまいます。今回の芸能事務所は、実名で大きく報道がなされてしまいました。

そのため、労働基準監督署からの是正勧告が行われた場合、企業は従わざるを得ないのが現状です。

3.まとめ

芸能事務所に労働基準監督署からのメスが入ったように、労働問題はいかなる業界であっても例外はないという時代になっています。

労働基準監督署の介入が行われ、是正勧告が出されてしまうと、会社は是正勧告に事実上従わざるを得ないのが現実です。そのため、事前の予防法務としての正しい労務管理を行うことが何より大切です。

労務管理について不安に思う経営者の方は、お気軽に弁護士にご相談ください。

以上

文責:弁護士 根來真一郎