経営者こそ遺言の作成を!

事業承継問題

新聞を読んでいると事業承継という言葉を目にしない日はありません。
「事業承継」というと難しい言葉のように思えますが、多くの経営者の事業承継は、端的に言えば、「代替わり」です。

経営者の地位を、その子、あるいは親族に引き継がせることです。この場合の事業承継を親族内承継といいます。

しかし、その事業承継ですが、千葉県内の多くの企業でもうまくいっていないようです。
株式会社帝国データバンク 千葉支店「後継者問題に関する千葉県内企業の実態調査」によると、千葉県内の企業では、後継者が決まっている企業は3社に1社のみとのことでした。

万一、事業承継がうまくいかないと、会社の意思決定が円滑に行えなくなるなどして、場合によっては会社が破産してしまうこともあります。
このように事業承継対策は、経営者の義務といってもいいでしょう。

事業承継の第一歩は遺言

事業承継は、いつまでにやるなどの期限がないため、どうしても取組みが遅れてしまいます。しかし、経営者の地位を引き継がせるという大事ですから、早期の取組みが不可欠となります。

経営者の地位を引き継がせるといっても、自社株など事業用資産も、後継者の方に引き継がせなくてはいけません。
そのための第一歩として遺言の作成をおすすめします。

経営者の方は、自宅などの不動産、預貯金といった通常資産に加えて、自社株や貸付金などの事業用資産にも考慮した上で遺言を作成する必要がでてきます。

遺言を作成する時期ですが、後継者が変わった場合でもその都度遺言を書きかえればいいので、早期に遺言を作成することをお勧めします。
経営者が認知症などになってしまうと遺言など事業承継対策ができなくってしまう場合もありますので、早期の取組みが不可欠です。

税金?争族?

事業承継では、様々な納税を猶予あるいは免除する魅力的な制度があります。
しかし、節税を重視した結果、親族間で揉めてしまい、紛争が発生してしまっては本末転倒です。
そのため事業承継では、紛争を起こさないことを第一義にし、対策を行いましょう。

対策は専門家に相談

親族内承継であっても、対策としては遺言のみでは十分とは言えません。
場合によっては民事信託の利用、株式の確保、経営者保証の解除など、様々な対策を行う必要があります。

事業承継について、ご不明な点などございましたら専門家にご相談ください。

監修者:弁護士 大澤一郎

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