パワハラの防止策作りを企業に義務付け?わかりやすく説明します!

現在、厚生労働省では、パワハラによる悪影響を重大視し、パワハラの防止策の策定を企業に義務付ける法整備を行う方向で検討しており、悪質な企業については、企業名の公表も検討されています。

そこで、本日は、企業様が気になる指導とパワハラの境界線についての基準をご紹介します。

1 パワハラの定義とは

パワハラが叫ばれている今、改めて定義を上げますと「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」と言われています。(厚生労働省平成24年4月提言より引用)

2 パワハラと指導の違い

企業様からのご相談の中で、指導として行っているにも関わらず、パワハラだと主張されたというケースがございます。企業の場合、問題のある従業員に問題行動を改善させるために指導するという場面は多くみられると思います。しかしこれでは、部下に指導することもできません。

裁判例上、一つの判断基準として考えられているのが、当該指導が「業務上の適正な範囲内」と言えるかという点です。

例えば、どんなに指導の必要性があったとしても、暴力を用いて指導することは許されません。また、仮に正しい指導をおこなったとしても、その指導が毎日1日3時間、1週間続いた場合は「業務上の適正な範囲内」であるという判断は難しいと言えます。

3 今後の対策

パワハラを巡る裁判においては、パワハラを認定するに足りる証拠がないとして、請求が認められなかった事例が多くあります。しかし、昨今裁判における証拠の重要性については徐々に働いている方たちにも浸透し始めています。重ねてスマートフォンの普及により、いつどこでも誰でも音声の録音をおこなうことが可能となりました。

そのため、企業様としては、相手が無断で録音していたとしても問題のない態様で指導をおこなうことが今後は必要となります。

4 よつば総合法律事務所がお手伝いできること

よつば総合法律事務所では、パワハラ対策についてのセミナーも多く取り扱っております。パワハラ問題でお困りの場合、または社内でパワハラ対策導入を検討されている場合は、是非一度当事務所までご相談ください。

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文責:弁護士 松本達也

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。