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会報198号 元従業員による従業員の引き抜き、顧客奪取行為は違法か?


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  知人から聞いたのですが、会社を辞めた人が、元の会社の近くで同じ事業をはじめ、その人に取引先をとられてしまい困っている会社があると言っていました。その人は、元の会社の悪口等も言っているそうで、従業員まで引き抜いていったそうです。このようなことが許されるのでしょうか?
 
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 そのような行為は、違法となる場合があります。ただ、仮に違法とされたとしても、事後的に対応するためには時間やコスト等、困難が伴います。そのため、このような事態になることをできるだけ避けるために、事前に対策をたてておくことが有用です。
 
 
 
1 競業避止義務とは
 

  取締役や従業員は、会社と委任契約、雇用契約を結ぶため、在職中に会社と競業する事業を営むなどして会社の利益を著しく害するようなことをしてはならないという法的義務を負っていると考えられます。
  そして、この義務の範囲は、現時点で行っていない事業内容・地域であっても、将来行う計画があり市場で取引が競合する可能性があるような場合等は、競業避止義務違反となることもあります。

  しかし、退職した後は、契約関係がないため、原則としてこのような義務は負いません。
  そのため、例えば、辞めた人が元の会社のすぐ近くに同事業を行う会社を作り、顧客がその会社に移ってしまうことも、原則として許されるということになります。
 

2 従業員の引き抜き、顧客奪取行為
 

  在職中に顧客や他の従業員等を勧誘する行為は、取締役の忠実義務違反、雇用契約上の誠実義務違反などになる可能性があります。
  一方、退職後は、原則としてそのような行為も許されることとなります。

 ただし、社会的相当性を逸脱したような引き抜き行為の場合は、違法となることもあります。そして、違法かどうかの判断は、退職からどれくらい期間が立っているか、在職時点での計画性、元の会社に対する中傷や信用棄損行為の有無、元の会社が受ける損害の程度等を総合考慮して判断されます。
 

3 対策・対処法
 

(1)防止策
  このような事態を避けるためには、例えば,採用するときなど事前に従業員や取締役から、退職後に競業行為や引き抜き行為をしないことを内容とする誓約書を取り付けておく等、個別に合意をしておくことが有用です。なお、就業規則に書いておく方法もありますが、個別に合意を取り付けておく方が、有効・無効が争われたときに有利になる可能性があります。

  ただし、この合意も、憲法上職業選択の自由が認められていることから無制限には認められるわけではなく、内容によっては公序良俗違反として無効とされる場合もある点に注意が必要です。  

 このような合意の有効・無効が争われた場合、裁判例では、その制限の期間や場所的範囲、制限の対象となる職種の範囲、代償性等を総合考慮して、合理的範囲内の制約かどうかという点から判断するとしています。

 例えば、2年よりも長い期間にもわたり、かつ広範囲にわたって競業禁止義務を課す場合や、労働者が長年にわたってその業界で働いてきたためその業種以外に転職が難しく職業選択の自由が大きく阻害されるような場合は、無効とされる場合もあるかと思います。

 一方、高額な賃金、退職金等が支給されている等代償が十分なされているような場合は労働者の不利益は小さくなり有効とされる可能性が高まります。
  このように、内容をよく精査しながらあらかじめ合意を取り付けておくのが有用です。
  また、退職した人材が、技術情報や営業秘密等をライバル会社に開示することがないように秘密保持契約を締結することも検討すべきです。


(2)実際問題が生じた際の対処法
 実際に問題が生じた場合には、その行為の差し止め請求、損害賠償請求、規定があれば退職慰労金不支給や返還等といった対応が考えられます。

  また、損害賠償請求については、例えば、取締役が競業避止義務の行為を行った場合、競業で得た利益の額を、元の会社に与えた損失と推定するという規定があります(会社法423条2項)。仮に違反した元取締役の会社が赤字であっても、元取締役がその会社から役員報酬をもらっていた場合、その役員報酬の5割を損害として認めた裁判例もあります。

 

4 まとめ

  会社においては複数の方が取締役となっていたり、重要な役割を果たしていることも多いと思います。いったん内部で争いが生じると、その結果、誰かがやめて、従業員や取引先を奪おうとすることもありえることです。
  企業としても、分裂するのではなく、協力しあって成長することが望ましいと思います。そのために、上記対策方法だけでなく、日頃から互いに尊重し合い、協力し合うような関係を維持していくことが大事だと思います。
(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 小林義和)
 

 
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