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解決事例109: 従業員からの残業代請求について労働審判で大幅に減額した事例

業種

運送業

お困りの問題

人事労務

相談前

A社は,退職した従業員から弁護士を通して突然残業代を請求されてしまいました。しかも,残業代について事前に取り決め雇用契約書や就業規則を一切作成しておらず,さらには日々の労働時間の記録すらもきちんととっていない状況でした。 従業員側は,きちんとした記録が残っていないのを良いことに,A社側からすると「そんなに働いているはずない」という感覚を持つような残業時間を主張しておりました。

相談後

image109.jpg事前の交渉ではなかなか折り合いがつかず,結局労働審判を起こされるに至った事案でしたが,以下の点で会社側に有利な解決が出来ました。 労働時間の記録がない部分については,顧客や取引先などの協力を得ることで労働時間を推定し,従業員側の残業の主張が過剰であることを何とか裁判官にわかってもらうことが出来ました。 また,残業代についての事前の取り決めを証明する書類がありませんでしたが,各種統計資料を用いたり,これまでの経緯を丁寧に説明するなどして,残業代が含まれていないとすると,いかに従業員側の給与が高額で不合理な結論となるかを根気強く説明し,何とか大幅に減額した金額を支払うことで解決することが出来ました。

担当弁護士からのコメント

これまでの経験からすると,以下のようなケースで残業代を請求されると,会社側が極めて不利な立場に立たされることが多いような気がします。

  1. 残業代を請求されるのは初めて
  2. タイムカードやタコグラフなどの比較的客観的な記録の内容が会社の労働実態とかけ離れてしまっている
  3. そもそも労働時間の資料が全くない
  4. 残業についての取り決めがあってもその雇用契約書などがない
  5. 運送会社など長時間労働が多い業種
  6. 外回りなど従業員が何をしているか把握しづらい業種

今回は②以外のほとんど全てが当てはまる事案であったため,かなりの苦戦を強いられましたが,何とか最終的に解決することができました。 上記のような状況でも,限りある資料の有効活用や工夫をすることで何とか戦うことはできますし,時折経済的な事情などから従業員側が大幅に譲歩してくることもありますので諦める必要はないと思います。
ただ,ちょっとの時間や労力を割いて事前の対策をとるだけで,将来残業代を請求された場合の支払額が何割も減るということは十分あり得ますので,まだ残業代の請求を受けたことがない会社様も一度事前の対策をご検討頂けると幸いです。